彼は、長年の仕事や人生経験があるために、「これを教えてあげなければ」という親切心もあって、相手の反応を待たずに“語りモード”に入ってしまう。

 定年後に社会からの承認が減って「話したい欲求が強くなる」のと、相手の新しい話を柔軟に「聞く力が衰える」のが重なって、聞くより話すほうがラクなのかもしれません。

「話すと楽しい!」と思わせる
会話のコツ5選

 どれだけ魅力的でいいものをもっている人でも、会話がつまらないと、人は離れていきます。そのため、ますます承認欲求が強くなり、歳を重ねるほど「自分は正しい」と思い込んで、会話が一方的になっていくでしょう。

 これは、特別な人ばかりではないのです。そもそも人は、他人の話を聞くより、自分の話をして聞いてもらうほうが、気持ちがいいのです。歳を重ねるとその傾向が強くなり、年下に対しては上から目線でアドバイスをしてしまいがちになります。

 だからこそ、そんな傾向をわかって「自分も相手も楽しい会話」になるよう少しだけ気を配る必要があるのです。相手が楽しそうであれば、自分も楽しいですから。

【「この人と話すと楽しい!」と思われる60代の会話のコツ】は、つぎのようなものです。

1 まずは話を聞いてポジティブにリアクション(自分より相手にスポットを当てる)
「それ、いいね」「そういうことあるよね」「面白い!」「嬉しいね」「感動!」

2 質問で深掘りしていく(合いの手を入れることで、相手は話しやすくなる)
「そのとき、どう思った?」「そもそものきっかけは?」「それからどうなったの?」

3 自己開示と「And you?」(自分の話をしたら、相手にも質問して話してもらう)
「私は○○だと思うんだけれど、あなたは?」「じつは○○が苦手で。△△さんは?」

4 ユーモアをたくさん挟み込む(笑い合うことで一気に打ち解ける)
失敗談も世代間ギャップも笑いに変える、オーバーなリアクションをするなど

5 表情・声のトーンを明るくする(相手も自分も気分が明るくなる)
微笑みながら話を聞く、背筋を伸ばし口角を上げて話す、語尾をふんわり軽く