出雲大社の一般参拝者が入れない場所でロケ

 こうしてトキとヘブンは出雲大社で永遠の愛を誓った。錦織も一緒に。

 島根で有名な神社・出雲大社はホンモノ。チーフディレクターの村橋直樹さんはこう語る。

「出雲大社の皆さんの全面協力のもと行いました。しかも普段一般参拝の方が入れない中まで入れていただきました。通常は、トキたちがくぐる門の外までしか参拝できないんです。特別に朝8時までの約束で、1、2時間だけの撮影でしたが、なかなかあることじゃないと思います」

 制作統括の橋爪國臣さんは「ばけばけ」の台本を書き始めたときから出雲大社で撮影したいと考えていたそうだ。

「トキとヘブンのモデルである小泉セツさんとラフカディオ・ハーンさんが出雲大社で結婚したことは事実です。出雲大社にハーンに関する資料がたくさん残っているわけではないらしいですが、ハーンが参拝したという資料は残っているそうです。ハーンは、現在では天皇陛下すら上がらない玉垣の先まで行っているらしく、そこまで上がった最初の外国人であることも事実です。

『ばけばけ』の台本を書き始めたときから出雲大社のシーンがあるといいねという話をしていて、島根に最初に取材に行ったときにご挨拶に伺い、半年ぐらいかけて交渉を続け、お引き受けいただきました。

 出雲大社の皆さんに台本を読んでもらって、こういう台本だったらぜひお受けしましょうと言っていただいたのと、高石あかりさんも出雲大社さんに取材に行っていて、宮司さんとお話をされて彼女の人柄にも触れたうえで、『ばけばけ』に協力したいですとおっしゃっていただきました。

 ハーンや、小泉家の皆さん、錦織のモデルである西田千太郎さんなど、実在の方々が出雲大社と紡いできた関係性のもとに我々が撮影させていただけたのだと思います」

 出雲大社は縁結びの神。同じく縁結びの神・八重垣神社の恋占いをトキは思い出す。

 遠くでなかなか沈まなかったのが、「遠く西洋からきたヘブン先生とのご縁だったのだなと」とトキが言うと「そうです、あれ わたしです」とヘブンがほほ笑む。

 そして、帰宅。松江に残り教師も続けると決めたヘブンは、結婚もしたことだしもっと広い家に引っ越そうと考える。「モアモア広い家」武士の家に住みたいと錦織に所望する。

 そしてトキには「今日からここで暮らすです OK?」

「新婚さんですねえ」と錦織がしみじみ言うが、トキは、大事なことを忘れていたことを思い出し、大きな声をあげる。前途多難のようだ。

普段は入れない所まで!半年にわたる交渉で実現した「出雲大社が全面協力」の映像美〈ばけばけ第66回〉
普段は入れない所まで!半年にわたる交渉で実現した「出雲大社が全面協力」の映像美〈ばけばけ第66回〉