結婚初夜なのに…ロウソク持って仁王立ち!真実明かさぬ新妻に“異人の夫”が詰め寄った〈ばけばけ第67回〉

結婚したら、20円はもらえるの?

 主題歌明け、トキは帰宅する。旅装束のまま、家の前でウロウロしていると、サワ(円井わん)が声をかける。

「その歩き方、その顔、その背中」で何かあったかわかると言うサワ。さすが。

「親に言いにくいんだけど 言わないけんことって どげして言ったらええんかね」と奥歯にものがはさまったような聞き方をするトキ。

「いや、ごめんごめん。これはこれだけはおサワにも言えん」

 もじもじもじもじするトキ。結婚は幸せな話だが、家族に言ったら怒られてしまいそうで、甘いものとしょっぱいものを交互に食べているような気分であろう。

トキ「あ でもいろいろあれしたら、あのあれして あれするけん あれしちょって」
サワ「あれしたら、あれしてあれするけん あれしちょって?」

 ふじきみつ彦、お得意の、繰り返しゼリフである。

 以前、インタビューで「あの あの」のシーンが良かったと伝えたら、「なるべく隙を見つけて、『あのあの話』みたいなどうでもいい話(笑)を書こうと思って頑張っています」と語っていて、やっぱりどうでもいい話をほんとうに書いていたのだと、うれしくなった。

 帰宅したトキを家族はねぎらう。

「仕事で杵築だなんてえらい遠かったじゃろ」とフミ(池脇千鶴)と司之介。

「ペリーは家だけでなく旅先にも女中がおらんといけんのか」

 なかなかするどい勘右衛門。

 言葉が通じないからとトキは言い訳すると、「だったら錦織さんがおるがね?」とフミ。

 トキは「いらんこと知っちょる」とぼそり。

 司之介は、銀二郎(寛一郎)がいなくなったいま、ヘブンもいなくなることを心配している。

 トキはヘブンが松江にい続ける情報を伝え、その流れで結婚を報告するつもりだったが、フミが何にしても、トキがこのまま女中を続けられれば良いのだと穏やかに話を終わらせようとする。

 このとき、「女中」という言葉がトキに激しい打撃をもたらす。

 悲鳴のような声を出すトキ。

 これまで女中だったから20円の収入があったが、結婚したら、20円はどうなるか。根本的な問題にぶち当たった。

 トキはフミにおそるおそる「母上は父上からお金もらったことある?」と尋ねる。

 家事――掃除とか洗濯とかしてお金をもらえるかと。

 フミ「そんなもんもらえるわけないがね」
 司之介「そげな夫婦どこにもおらんぞ」
 フミ「それこそそれが女中さんだがね」

 何も知らない松野家は、トキがおかしなことを言っていると思って、けらけら笑っている。

 この時代、これはおかしな問題と一笑に付されるが、やがて令和になると、家事にも対価が支払われるべきという論争も生まれる時代になるのだ。

 トキはだんだんと不安が増していくが、家のなかにヤモリが現れた。

「ええことありそう」とフミはにこにこ。

 ヤモリは家守なのでいいことの兆しと言われているのだ。