比較的、日本人、特にエリート層はこうした言い方に弱く、無駄に喋ってしまう傾向がある。

 もう80年以上前のことだが、ソ連のスパイで1944年に処刑されたリヒャルト・ゾルゲは調書で、「日本人は『そんなことも知らないの?』と言われるとムキになって話し始める」と語っている。この手法で彼は多くの機密情報を入手し、ソ連に送っていたのだろう。

 さらに、挑発の反応によって相手の性格(素直に知らないと言えるか、知ったかぶるのか)も見極めることができる。

 なお、本当に知らなそうな場合は、「忙しいからしかたがありません」などと軽くフォローを入れて、角を立てないようにしておくとよい。この手法はかなり乱暴なので、相手の性格や状況によっては逆効果になることもあるので、注意しなければならない。

 挑発は相手の反応を見ながら、段階的に強度を上げ、一発勝負は避けたほうがよい。

相手を「挑発」するときに
注意すべきこととは

1、相手の性格 自尊心の分析が不可欠
プライドが高い人ほど反応しやすいが、逆に怒りや警戒心を招くリスクも高い。自信過剰なタイプは、挑発にのって語る傾向があるが、虚勢や誇張も含まれることがある。内向的・慎重なタイプには挑発が逆効果になることが多い。

対策:事前に相手の性格・話し方・反応傾向を観察しておくこと

2、挑発の「強度」と「トーン」を調整する
軽度の挑発:「知らないなんて、ちょっと意外ですね」など軽い皮肉程度で相手の説明欲を刺激する。
中程度の挑発:「それって場当たり的じゃないですか?」と少し強く非難する。
強い挑発:「そんな判断、素人でもしませんよ」と強い侮辱でムキにさせる。

3、情報の「真偽」を見極める冷静さを保つ
挑発で相手は感情的になっているため、情報に誇張や虚偽が含まれることがあるので、見極めが大切である。

4、挑発後の「フォロー」が重要
挑発した後は、共感・理解・敬意の演出で信頼関係を修復する必要がある。「なるほど、そういう視点は考えていませんでした。さすがですね」などと相手をフォローすることを忘れてはいけない。

「挑発→反応→フォロー」の流れを意識し、一方的な攻撃にならないよう注意する。