まんまと挑発に乗ってしまった
プライドの高いターゲットの失態
知的でプライドが高いC国の協力者の自尊心を刺激して情報を引き出したことがある。
勝丸:(皮肉まじりに)御国の最近の動き、場当たり的ですね。
協力者:(眉をひそめて)場当たり?それは誤解です。我々は常に先を読んでいます。
勝丸:(軽く笑って)そうですか?でも、某国での結果は、予測とは程遠いですよね。
協力者:(少し語気を強めて)敗北ではない。現地の情勢を読んだうえでの再配置です。
勝丸:(興味深そうに)へえ、それは初耳ですね。再配置の場所を聞いてないのですか?
協力者:(語気を強め)B国だよ!決まっているじゃないか!そんなこともわからないのか!
勝丸:(感心したふり)なるほど!さすがですね。
協力者は怒りに任せて喋ってしまったことに、気づいていないようだった。
公安も捜査で使う
「はったり」は乱用厳禁
「はったり」とは、実際にはないことをあることのように言ったり、わずかなことを大きなことのように語るなどして、相手を騙したり誘導したりする行為で、英語のブラフ(bluff)とほぼ同じ意味だ。
外事警察(編集部注/公安警察の一部門。テロ、スパイ活動、不正輸出などを捜査・防止する組織)は、はったりを使って情報を引き出す会話術が得意である。真実を引き出すためには、相手の認知・感情・判断力を揺さぶらなくてはならないからだ。
はったりでは、相手を動揺させなければいけない。そのためには相手よりも優位な立場を取り、相手に情報が「知られている」「バレている」、もしくは「自分の身が危うくなる」と思わせることが重要となる。
ただし、安易なはったりはリスクが伴うので、注意が必要だ。見抜かれたところで計画はうまくいかなくなり、相手から下に見られてしまうだろう。それだけに、乱用は禁物である。
リエゾン(編集部注/外国大使館と警視庁の連絡役)をしていたころ、上層部から厳命を受け、A国大使館と交渉しなければならなくなった。警視庁にとって最重要課題だが、A国は居丈高でなかなか応じてくれない。







