さて、来年安くなりそうなものは何でしょうか?日銀の利上げが引き続き行われるであろうことと財政出動が続くことで、長期金利はさらに上がる一年になりそうです。ということは長期の国債価格は2026年に下がります。

 他にもあります。日銀が利上げをすれば本来は円が高くなるはずですが、12月の利上げでは円安になりました。日米の金利差以上に円に対する信認が問われ始めています。2026年も一年を通じて円安の方向に下がることになるでしょう。

 ただし債券も円も価値が下がって喜ぶ人は少ないかもしれません。では逆に上がって喜ぶものはないのでしょうか?

 上がってうれしいものの中で、高い確率で2026年も上がりそうなのが株価です。中でもAIと半導体、データセンター投資需要が爆発的に増えるアメリカの株は需要が堅調です。結果的にナスダックを中心に米国株は来年も上がりそうです。先ほどお話しした要因から円安傾向の一年になることが予想されますので、アメリカ株に投資をしても為替で損をするリスクも少ないでしょう。

 ただし気を付けなければいけないのが地政学リスクです。トランプ関税でこじれかけた米中関係を、いまのところ両国とも修復の方向に向ける努力をしています。ただ偶発的な要因で、両国が関係を悪化させざるをえなくなるような事象が起きる可能性は常にあります。

 さらにウクライナとロシアの停戦もうまく前に進むようには見えません。これらグローバルな地政学要因から世界の株式市場が混乱するリスクを考えると、上がってうれしいものとして株よりも金価格のほうがより確実に上がるかもしれません。

 とはいえ、現時点で金価格は過去最高値水準ですから新規に買うのはこわいですよね。むしろ2026年は家の中に眠っているネックレスなどの金製品を換金することで、金が上がった嬉しさを実感するのがいいかもしれません。

 実は上がって嬉しいものの中で、2026年に確実に上がりそうなものがもうひとつあります。それは賃金です。