「素材がない・アイディアが出ない」と数十分~数時間、七転八倒した挙句、もう何度も読破したマンガをまた1巻から読み始めたり、やけにYouTubeを見あさり始めたり、唐突に昼寝が始まったり、おもむろに部屋の掃除を始めたり(私の場合)と、クリエーティブな初動につきものの苦しみは、AIの手を借りることで簡単に乗り越えることができるようになる(もっとストイックなクリエーターは「これが完成するまで店を出ない」とファミレスに10時間以上こもったり、壁を殴って穴を開けたりしている)。
AIが著作物を学習データに用いるのと
既存の音楽に影響を受けるのはどう違うか
AIを補助的に利用することは果たしてどれくらい道義にもとる行為なのか。メロディーラインを丸々トレースしたらちょっとAIの奴隷になった感はたしかにあるが、では「このビートいい感じだから雰囲気もらっちゃおう」ならどうか。
アーティストから編曲家に対して、既存の曲を渡して「こういう感じのアレンジで」と希望がつけられるのはプロの制作の現場で普通に行われることである。著作物がリファレンスされているが、著作権を直接侵害しているわけではない。
なんなら、すべてのアーティストは既存の音楽の影響を必ず受けているから、その意味では「著作物を学習データに用いるAI」とやっていることは同じである。ここをどう捉えるか。
私個人としては、あるアーティストが長年をかけて多くの曲を聴いたり学んだり、その人の人生経験なども反映された上でのその人の音楽性なので、そこは第三者(AI)から簡単に侵されてほしくないとは思う。
ただ、冒頭で海外の音楽シーンでAIが台頭してきているように、これは時代の潮流である。AIは国内音楽シーンでも今後、よかれあしかれ益々存在感を強めていくであろう。
参考)Forbes Japan ビルボード入りした「AI生成」歌手ザニア・モネの制作者、AI音楽への反発に反論
https://forbesjapan.com/articles/detail/84578







