26年も倒産と廃業は増え続ける
どうしたらいいのか?
後継者がいなくて事業承継に悩む中小企業。コスト高や、産業構造の変化もあって廃業を選択している。どうしたらいいか――簡単な処方箋はない。
倒産はもちろん、廃業も防ぐには、どうすればいいか。身もふたもないことをいうが、高利益企業にして、引き継ぎたいと思う後継者を増やすしかない。
利益を出すには、商品の付加価値を高めて販売価格を上げるしかない。中小企業庁のデータによると、コスト全般の転嫁率は未だ50%程度。買い手の優越的地位の濫用や、下請法上の買い叩きを除けば、コスト転嫁できないのは自社の商品力が弱いからだ。
残念な予想だが、26年も倒産と廃業の増加は継続するだろう。先に述べた要因は、26年も続くと見られるからだ。
コスト高を嘆く前に、高くても売れる強さを磨こう。その高収益化こそが、次世代が受け継ぎたいと思う企業への唯一の道となる。
「立つ鳥跡を濁さず」というが、今の日本では「立つ鳥、跡継ぎ見つからず」の方が深刻だ。事業承継とは、過去の遺産を分け合うことではなく、未来の利益を約束することだと私は思う。
経営者が「エンディングノート」を書くのはいいのだが、それはあくまで自身の遺言と次世代へのアドバイスであるべきだろう。次世代への愛があるならば、苦労ではなく「高収益」という名の希望を手渡すことが、経営者の最後の務めだと考える。








