というわけで、塾も基本的にはありません。義務教育のフォルケスコーレや高校などで、必要な教育はすべて受けられるという前提になっており、国の教育方針に基づき、国、各自治体、それぞれの教師が受ける教員養成のための教育にも一貫性が保たれ、その質も担保されています。

 このように、受験がないことで、子どもたち、若者たちには、たっぷり時間があります。

 イースターの休暇や、夏休み、秋休み(10月の第二週)、クリスマス休暇、冬休み(2月の第二週か第三週)にも宿題はありません。全部の休みが、思う存分遊んだり、家族や友達と過ごしたり、普段できないことに挑戦する時間です。

 フォルケスコーレを卒業したミドルティーンには、すぐに高校などに進学せず、エフタスコーレ(進路選択のサポートなどをする全寮制の学校)に入って家を離れ、一年を過ごす、という選択肢もあります。

 デンマークでは、幼児や子ども時代、若者時代にもたっぷり時間を取りながら、その年齢、その年代だからこそやりたいこと、できることを思う存分楽しめる時間があります。その時にやりたいことをやり尽くせるからこそ、次のステップにも思い残すことなく進むことができるのです。