「うちの子、語彙が少ないのでは?」「自分の意見をちゃんと言えない」‥‥‥。スマホやSNSの普及により、子どもの「言葉にする力」の衰えを危惧する声が増えています。そんな中、『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)等のべストセラーで知られる文章の専門家・山口拓朗氏が、待望のこども版『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)を上梓しました。同書は、マンガと「言葉を使ったゲーム」を通じて、子ども(小学校低学年~高学年)が楽しく言語化能力を身につけられる画期的な一冊です。本連載では、本書をベースに親御さん向けの記事として抜粋・編集した記事や、著者による書き下ろし記事で、「子どもの言語化力」を高める秘密を紐解いていきます。

無口な子どもも、ペラペラしゃべり出す! 魔法の「問いかけ」ベスト1Photo: Adobe Stock

「考えを言葉にする力」を育てる魔法のワードとは?

「もしも(「うちの子、考えていることをうまく言えなくて……」
「もっと気持ちや考えを言葉にできるようになってほしい」

 そんなふうに感じている親御さんに、試してもらいたい方法があります。それは、食事の雑談中などに「もしも◯◯だったら?」と問いかけてみること。この「もしも」は、子どもの言語化力、つまり、考えを言葉にする力を育てる魔法のワードです。

 たとえば、テレビで動物の番組を見ているときに「もしも動物になれるとしたら、何の動物になる?」、お出かけしているときに「もしも今から空を飛べるとしたら、どこに行ってみたい?」、夕飯の雑談中に「もしも宝くじで10万円当たったら何に使う?」といった具合に、ちょっとした“架空の世界”を一緒に楽しむのです。子どもが答えたら、続いて「その理由」もたずねてみましょう。より深い言語化へと進むことができます。

「もしも」には正解がないからこそ、空想の世界を自由に泳げる

「もしも」を使った問いかけは、何か正解があるわけでも、その子の「現実」について語るものでもありません。やり取りするのはフィクションの世界。だからこそ、子どもは安心して、自分なりの考えや気持ちを言葉にしようとします。この「想像する→言葉にする」のプロセスが、想像力や表現力を含む「言語化力」を鍛えるトレーニングになるのです。

 拙著『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社刊)の中にも、自分が◯◯になったと想像してインタビューに答える「なりきり王者☆決定戦」や、ある時代に自分がタイムスリップしたとして妄想を語る「ワクワク!ことばでタイムスリップ」などのゲームを紹介しています。これらのゲームも同様に、想像力や表現力を鍛える効果があります。

 なお、子どもが質問に答えたら、必ず肯定的なアンクションをとりましょう。「それは意外! どうしてカピバラなの?」「それ、おもしろいね! ところで、お笑いの授業って、どんなことをするの?」のように子どもの考えを広げたり深めたりする言葉を投げかけることで、言語化の解像度がさらに高まっていきます。

 大切なのは、正しく話すことではなく、子どもが空想の世界を自由に泳ぎながら「言葉にすることって楽しい!」と実感すること。言語化力は、一朝一夕では育ちませんが、毎日の小さな対話の積み重ねによって確実に伸びていきます。「もしも」を使って、親子で楽しく会話をする先に、言語化力アップのご褒美がついてくるのです。

 *本記事は、『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社刊)の著者山口拓朗氏による書き下ろしです。