「今日ナチが主張する所の色々の方針、主義、原則といふものが自然に日本に近寄り、日本の古来の伝統といふものに接近して来ることが当然であるやうに思ふ (中略) ナチのあの組織、あの機構は数年の中にスツカリ日本に根が生えてしまふであらうと思ふ。何となればそれは日本の根本的なものに合致するからである」(P45ー47)
白鳥からすればナチスと日本は今でいう「ソウルメイト」であり、ここまで相性バッチリな同盟国はないので、
ナチスの「武力侵攻」も全面支持。そこには当然、ユダヤ人問題への対応も含まれている。
「この戦争はヒットラーとユダヤ人の戦争であるとも言へる位で、ヒットラーはユダヤ的な勢力を世界から放逐して、新しい経済政策によつて、強くユダヤ人の金貨経済を排斥すると声名している。そこで日本がこのヒットラーの政策と歩調を合わせていくかどうか」(P93)
このような「ナチス愛」「ヒトラー愛」を掲げた白鳥は三国同盟を「今日の世界に於て絶大なる武力経済力総ての力を持つた大国」として、アメリカ・イギリス・フランスなど足元に及ばないほど優勢だと胸を張っていた。
しかし、結果はご存じの通りだ。
戦局が悪化していくなかで、日本は燃料も食料もなく、南方では餓死をする兵士が続出した。頼れる同盟国のドイツから援軍はこなかった。あちらも敗戦が続いて1945年5月に無条件降伏。ヒトラーは自殺した。
こういう歴史から我々が学ばなくてはいけないのは、本来は国益を第一に考えて冷静に状況判断をしなくてはいけない政府高官や政治家が「親独反米」というイデオロギーにあまりにのめり込んでしまうと、国家が「破滅の道」を歩むということだ。
時は流れて今の日本は「親米反中」だ。政治家でもYouTuberでも「アメリカと組んで中国に目にも見してやれ」なんて勇ましいことを言う人のほうが人気がある。「令和の白鳥敏夫」があちこちにいるのだ。







