前任者は器用な人で、上司の発言を真に受けることなく、適当に受け流していたようです。でも根が真面目な知人は、コロコロ機嫌を変える上司に疲れ果てて、適応障害になってしまいました。
会社に診断書を提出して休職となりましたが、「このままなら退職します」という本人の決意が固く、最終的に別の部門に異動したそうです。
後日わかったことですが、この上司、決して部下を嫌っていたわけではなく、むしろ目をかけていたそうです。
でも感情をコントロールできなかったために、相手に嫌われ、大事な部下を失ったばかりか、自分自身のキャリアにも傷をつけてしまいました。
受付での「素」の態度が
評価に影響する可能性も……
「不機嫌な態度を取っても、上司や人事部にバレなければいい」
そういう時代もあったかもしれませんが、現代ではどこかで見られていると思った方がいいと思います。
人事異動で重要な決定をする時、秘書や受付など「一見、対象者と利害関係のない人」に意見を聞く上司は意外に多いものです。
たとえば採用面接が終わってから、「今の人、どんなふうに感じた?」と受付に聞く。私自身、そんなふうに意見を求められたことは何度もあります。
採用担当者のようなキーパーソンの前では、誰でも良い顔をします。でもキーパーソンが出てくるまでのあいだ、うっかり気を抜いて、素が出てしまう人は少なくありません。
受付や秘書に対して横柄な方もいますし、受付スペースで待っているあいだ、高圧的な口調で電話をする人も、コンパクトを出してお化粧を直すような人もいました。それは多くの場合、採用担当者にも共有されます。
ある投資家から聞いた話ですが、出資を求めてやってくる起業家と面談した後は、「さっきの人、どうだった?」と必ず秘書に意見を求めるそうです。
自社内で社員を昇進させる時も同じで、いっしょに働いている同僚や部下から評価を聞き出すことも多いそうです。
人望のありそうな人か、裏表はないか、社会常識に欠けるところはないか、実はいろいろな角度からチェックされているわけです。
そんな時に「あの人は感情的で、同僚からは一線を引かれてしまっています」と言われてしまうのは、あまりにもったいないことです。







