職場で怒りを伝える時は、真逆のアプローチが有効です。

「私、怒っていますよ?」と、言葉ではっきり伝える。

 この時、声にはなるべく感情をのせず、ゆっくり淡々と伝えましょう。できれば相手の目を見て話します。

 怒りが正当であることを伝えるためにも、堂々と、余裕を持って伝えましょう。

 ここまで、安定した感情でいることがいかに自分のためになるかをお伝えしてきました。

デキる経営者ほど
感情の扱い方がうまい

 最後にもうひとつお伝えしておきたいことがあります。

 いつも誰に対しても態度が一貫しているというのは、嫌なことを我慢してイエスマンになることではありません。

 ただ感情の出力方法をチューニングするのが大事だということです。

 経営者の知人を見ていると、感情を上手にかわす人が多いと感じます。

 株主や取引先から叱責されたり、部下から突き上げられたりすることもあると思いますが、いきなり感情的になることは少ないものです。

 イラッとしているであろう時も、反射的に怒りや不満を出さず、笑顔を失わない。

 彼らを観察していると、不条理なことを言われた時、「うおおっ」「マジですか」「そうきましたか」などと答えていることが多いのです。

 正面からぶつからず、上手に身をかわすためのテクニックだと感じます。

『感情の作法』書影『感情の作法』(橋本真里子、サンマーク出版)

 嫌なことがあるたびに顔色を変えて対応していては、誰もついてきてくれません。

 まずは一度怒りを逃がして、安定した態度を取る。

 ただそれだけで、「余裕があるな」「器が大きいな」と評価されるはずです。

 怒らない人になろうとか、菩薩のようになろうと考える必要はありません。

 イラッとしてもいい、バレなければ。

 この言葉をお伝えします。ぜひ自分を追い詰めすぎずに、軽やかに過ごしていただきたいと思っています。