キーワードは“ノイエ・クラッセ”

 いままでとは見た目も中身も大きく違う、新世代のX3。聞きたいことはたくさんある。

 と、その前にBMWジャパン広報の前田さんがこう切り出した。

BMW広報 前田さん(以下、前):X3の話に入る前に、少しだけ背景の話をさせてください。今回のX3は単なるモデルチェンジではありません。BMW全体がこれから新しい方向に向かっていく、その流れの中にあるクルマです。

 それを抜きにしてクルマ単体の話を進めてしまうと、たぶん“何が変わったのか”すらもうまく伝わらなくなってしまうと思います。キーワードになるのは“ノイエ・クラッセ”。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):ノイエ・クラッセ……どこかで聞いたことがあるような……?

前:英語にすると“NEW class”。これはBMWという会社にとっては、非常に重い言葉です。1960年代、BMWが経営的に厳しい状況にあったときに、『これからのBMWはこういうクルマを造る会社になる』という意思表示として使われました。2002を中心としたモデル群を出し、BMWは立て直しに成功します。

 今回、あえてその名前を使っているのは、「当時と同じくらい大きな転換点に立っている」という認識があるからです。

F:BMWの経営は危機的状況にあるのですか?

前:いえいえいえいえ、業績は安定しています。それくらいクルマを取り巻く環境が激変している、ということです。

新型X3は単なるモデルチェンジではない

前:ノイエ・クラッセとは、プラットフォームであり、思想であり、これから先10年、20年にわたってBMWがどんなクルマを造っていくのか、その基盤そのものです。

 電動化やソフトウェア、車両構造まで含めて、すべてを造り直す。そのために第6世代の電動パワートレインを導入し、バッテリーも構造体として設計しています。ですがEV一本で行くという話ではありません。内燃機関も水素も含め、複数の選択肢を残す。一方で電気自動車はさらに一歩上のステージに上がる。その出発点がiX3であり、その流れの中にあるのが、今回フェルさんに試乗していただいたX3なんです。

F:ひゃー。歴史の転換点にあるクルマに乗った、ということですね?