冷たいかもしれないが…会話のキャッチボールを成立させない

 相手が「お作りしましょうか」と言い終わるのを待ってはいけない。最後まで言わせてしまうと、こちらはそれに対して返答をする義務が生じてしまう。会話のターンが成立してしまうのだ。だから、言葉の途中で、鋭く割り込むのだ。

「要らない」と。

 語気を強める必要はない。怒る必要もない。ただ、事務的に、事実として「不要である」ことを告げる。被せ気味に言うことで、こちらの意思の固さが伝わる。「お作りしましょうか?」という疑問形が完成する前に拒絶することで、質問自体を無効化するのだ。

 会話のキャッチボールを成立させないことが、この場の最適解なのだ。冷たいと思われるかもしれない。感じが悪い客だと後ろ指を指されるかもしれない。

 だが、考えてみてほしい。そもそも客の時間を奪い、不要なシステムに組み込もうとする側の構造にこそ問題があるのではないか。

 消費者は対価を支払って商品を受け取るという、シンプルな契約を履行しようとしているだけだ。そこに、頼みもしない「囲い込み」という名の付加契約をねじ込んでくるのは、店舗側の都合である。

 お互いの時間を守るための、最小限の言葉。それが「要らない」の一言に集約されている。これは無礼なのではなく、最高にコスパのいいコミュニケーションなのだ。

「お得」という名の甘い蜜に惑わされず、必要なものを、必要な時に、必要なだけ買う。その当たり前の自由を取り戻すために、今日も私はレジの前で、短く、強く、宣言するのだ。

「要らない」と。

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