この意味で、日本はむしろ規制がイノベーションを生み出してきたといえ、AIについても適切な規制を課すことにより、有用なイノベーションを生み出せると考えるべきだったといえるでしょう。
AIバブルはどのように縮小し
どんな企業が生き残るのか
本記事の執筆時点では、AIがバブルなのか否かについての議論が盛んに行われています。
例えば、オープンAIのサム・アルトマンCEOは2025年8月、「投資家全体がAIに対して過剰に興奮している段階にある」と述べています(※2)。また、同年10月には米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が「現状、AIへの投資が過熱している」と発言したことが報じられました(※3)。
両者の発言は前後関係を踏まえたものと考えられますが、いずれも生成AIがバブル的状況にあることを否定してはいません。したがって、AIがバブルであるという前提に立ち、そのバブルが「いつ」「どのように」縮小するのか、そして収縮後にどのような企業が生き残り、どのような事業環境が形成されるのかを考える必要があります。
歴史を振り返れば、新技術が投機的な資金を呼び込み、大きなバブルを生んでは縮小してきました。1790年代の運河建設、1840年代の鉄道、19世紀末の自転車、20世紀末のインターネット技術によるドットコムバブル、そして2017~2020年のブロックチェーンなどです。
この中でAIバブルは、ドットコムバブルとの類似性が指摘されています。どちらもネットワーク外部性を伴う技術であり、収益以外の指標、たとえば利用者数の増加などが正当化要因とされます。ドットコム期には「利用者数」、生成AIではそれに加えて「学習モデルの巨大化」が成長指標となっています。
バブルでは、収益化が遅れても投資を正当化するための「物語(ナラティブ)」が形成されますが、ドットコムバブルでは「トラフィックを増やせば後から利益がついてくる」という需要側のナラティブが信じられました。
※2 The Verge 2025年8月15日
※3 日本経済新聞「Amazon創業者のベゾス氏、AIは『良いバブル』投資過熱も恩恵強調」2025年10月4日







