今年こそ片側あけ問題を解決しよう

 エスカレーターの片側あけは、善意から始まった“合理的な誤解”である。
 
 当初は効率的に見えた行為が、社会の変化(高齢化、安全志向、輸送量の限界)によって、今ではむしろ危険で非効率な行動になっている。
 
 けれども、「(新しくなった)マナーを守りましょう」と呼びかけても簡単には変わらない。人が行動を変えるのは、命令されたときではなく、「そのほうが自然で心地いい」と感じたときだ。つまり、行動を変えるには、ルールを作ることよりも構造を整えることが大切だ。

 歩かない方が安全で、早く着いて、みんなが気持ちいいという構造を社会全体で設計していく。時代の変化にあわせて仕組みも変えていく。その積み重ねが、古い習慣を静かに書き換える。エスカレーター問題の解決は、そのための重要な一歩になるのではないだろうか。

(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)