『難聴を生きる 音から隔てられて』(宿谷辰夫、宇田川芳江、岩波書店)
この資格を取得できたことは自信につながったし、自分を見つめなおすきっかけとなった。改めて周りを眺めてみると、意外と「生きにくさ」を抱えている職員はたくさんおり、障害はあるものの組織に貢献したいと真面目に取り組む自分を肯定的にとらえることができるようになった。
失敗しては修正を重ね、今、職場で音声認識アプリ、電話リレーサービス、チャットシステムを駆使して、あまり障害を意識することなく仕事ができている。毎年「ちょっと難しいな」と感じる担当業務があり、それを無事終えることができた時にはすがすがしい達成感を感じる。他の職員と比べるのでなく、昨年の自分より成長することを目標としている。
自分の過去を振り返り、残念だったなと思うことは、「自分がしたい仕事」を考える余裕もなく社会に入ってしまったことだ。もっと早く難聴の友人を持ち、大人の難聴者と出会い、夢を膨らませることができていたなら、たくさんの選択肢があっただろうにと思う。これから社会に入る若い難聴者たちも、きっと不安な気持ちを抱えていることだろう。「心配しなくていいよ。道は拓けていくよ」ということを伝えてあげたい。(2級・公務員・40代・熊本県)







