焼肉を食べる女性写真はイメージです Photo:PIXTA

なぜ飲食店における異物混入はなくならないのか。理想論では片づけられない構造問題が横たわっている。不衛生な店やリスクの高い店を、利用者が見抜く方法もお伝えする。(グルメジャーナリスト 東龍)

「焼肉きたらねずみ落ちてきた」
SNSで拡散・炎上→店側が謝罪

 2026年になって早々、SNS上で大注目された動画がある。「焼肉きたらねずみ落ちてきたWWWWW」とのタイトルで、東京・新宿の焼肉店の客席カウンターでネズミが走り回る映像だ。

 飲食店における異物混入の報道は多く、近年の主な事例だけでも振り返ると以下の通りだ。原因別に大別すると、ネズミなどの「侵入型」と、それ以外の「原材料・工程由来型」となる。

【施設への侵入・生息事例】

・26年1月/新宿の焼肉店
 客席でネズミが確認され、SNSで動画が拡散。店側は殺処分、専門業者による消毒、保健所調査などの説明と謝罪に追われた。

・25年3月/すき家 昭島駅南店
 商品にゴキブリの一部が混入していたことが判明。すき家は衛生管理を見直すため、外食チェーンとして異例の規模となる約1970店舗の一時休業に追い込まれた。ブランドイメージも急速に悪化し、既存店客数は前年割れとなる事態に。

・25年1月/すき家 鳥取南吉方店
 みそ汁へのネズミ混入。事案発生から公表まで2カ月ものタイムラグが不信につながった。

【原材料由来・調理過程での混入事例】

・25年4月/ジョイフル 松江東朝日店
 提供商品にカタツムリが混入。ベビーリーフ由来とみられ、洗浄過程で除去できず、盛り付け時のチェックでも見逃したと説明した。

・23年5月/丸亀製麺 諫早店
 テイクアウト用「ピリ辛担々サラダうどん」にカエルが混入。野菜加工工場での原材料由来と判断され、対象商品の当面の販売中止と取引先工場の点検・検品体制強化が行われた。

・16年秋/幸楽苑 静岡清水インター店
 ラーメンに人の親指の一部が混入。従業員がチャーシューの仕込み中に使用したハムスライサーで指を切断し、それが紛れ込むという痛ましい事故であった。

 これらの事例から分かるのは、発生要因が一様ではないということだ。ネズミや害虫は、店舗への侵入と生息が発生要因だ。一方、野菜由来のカタツムリやカエルは、サプライチェーン上の問題と店舗での最終チェックの不備が重なった結果である。

 では、なぜ異物混入はなくならないのか。