スーパーマーケット側では仲卸を通さないため、安い価格で魚を購入できる利点もある。漁師としても、水揚げ量などに関係なく、あらかじめ決まった料金で売ることができ、安定した収入の確保につながる。綿半ホールディングスでは一船買いによって規格外の「未利用魚」を減らし、資源保護に努める構えだ。

 イトーヨーカドーでは、陸上養殖のサーモンを使った惣菜の販売を始めた。サミットなどが加盟するオール日本スーパーマーケット協会では、エリア単位で養豚業者と契約し、農家の経営を支援するとともに、将来の調達リスクに備えている。田尻一会長は「バイヤーのこれからの仕事は、いかに商品を安定調達するか。

 自らが行動し、メーカー・産地・海外とのパイプづくりを行うかが重要になっている」と、自身がアドバイザーを務めるバイヤー塾で参加者にハッパをかけている。

「いずれ買い物弱者に……」
過疎地域の住民が抱える不安

【生活者の声】
 80歳近い両親が住んでいるのは、コンビニにも車で行かなければならない過疎地です。いまは運転できますが、いずれは「買い物弱者」になってしまうはずです。コミュニティバスもありますが、1日数本しかないので困ります(50代・主婦)

 健康状態が悪い、近くに店がないなどの理由で、日常の買い物に不自由を感じる「買い物弱者」が全国で問題となっている。特に地方では人口減少と高齢化、小売店の廃業や撤退などで日々の買い物に困る人が多く、国や自治体は対策を迫られている。

 農林水産省によると、500メートル圏に食料品が買える店がなく、65歳以上で自動車を利用できない「食料品アクセス困難人口」は2020年時点で900万人を超え、2015年の推計より1割近く増加した。しかし、対策が必要な全国の市町村のうち、実際に取り組んでいるのは約76%にとどまる(*1)。

(*1)農林水産省「『食品アクセス問題(買物困難者)』に関する全国市町村アンケート調査結果」2025年3月