浅井長政(演:中村歩)(C)NHK『豊臣兄弟!』より、浅井長政(演:中村歩) (C)NHK

歴史はエンターテインメント!かしまし歴史チャンネルへようこそ。『豊臣兄弟!』第14回のタイトルは「絶体絶命!」。越前の朝倉義景を攻めていた織田信長(演:小栗旬)は金ヶ崎(福井県敦賀市)で挟み撃ちにあい、京都へ脱出。豊臣秀吉・秀長(演:池松壮亮、仲野太賀)や明智光秀(演:要 潤)が奮戦する、いわゆる「金ヶ崎の退き口」が描かれました。信長が挟み撃ちにあったのは、妹・市の夫である浅井長政が朝倉家についたためですが、この時なぜ、長政は信長を裏切ったのでしょうか?史料を見ながら、最新の有力な説をご紹介したいと思います。(かしまし歴史チャンネル/川合章子)

織田信長最大のピンチ!「金ヶ崎の退き口」

 越前の朝倉義景を攻めていた織田信長は、浅井長政の思いもよらぬ離反によって、挟み撃ちの危機にさらされ、命からがら撤退することになりました。これが、いわゆる「金ヶ崎の退き口」です。

 この危機は、羽柴秀吉や明智光秀らが殿(しんがり)を務め、なんとか脱出することができましたが、最大の疑問は、なぜ浅井長政が信長を裏切ったのか、という点です。この問題については現在でも定説はなく、いくつかの説が提示されています。

『信長公記』が伝える信長の「まさか」

 まず、当時の一次史料である太田牛一の『信長公記』を見てみましょう。これによると、浅井の離反を聞いた信長は「それは誤報だろう」として、すぐには信じなかったといいます。

織田信長(演:小栗旬)(C)NHK織田信長(演:小栗旬) (C)NHK

 浅井長政は、信長の妹・お市の方を妻としており、信長が浅井長政を非常に信頼していたことが、この記述からもわかります。

 それだけに、この離反は、信長にとって想定外の出来事だったといえます。