買い物に支障が出ている理由は「住民の高齢化」が最も多く、「地元小売業の廃業」「中心市街地・既存商店街の衰退」「単身世帯の増加」などが続いた。実際に進んでいる対策では「コミュニティバス、乗合タクシーの運行等に対する支援」が最も多い。また、ここ数年で「移動販売車の導入・運営に対する支援」が増加傾向にある。

買い物が難しい人々を救う
移動スーパー「とくし丸」

「腰が悪くて、長い距離は歩けない」「自分では車の運転ができない」「自宅近くの店が閉まってしまった」――そんな高齢者の家の前まで生鮮食料品や日用品を届ける移動スーパーが注目を集めている。その最大手が、2012年に徳島市で創業した「とくし丸」だ。本格的な冷蔵設備を搭載し、肉や野菜、果物、パンや菓子、惣菜など400品目の商品を積んだ軽トラックで週に2回、利用客の家までやってくる。

画像:とくし丸の車両とくし丸の車両(同書より)

 移動スーパーといっても、とくし丸自身が仕入れや販売を行うわけではない。とくし丸は「本部」として各地域のスーパーマーケットとフランチャイズ契約し、ブランドや運営ノウハウなどを提供する。実際に移動販売車を運行するのは「販売パートナー」と呼ばれる個人事業主で、自分でとくし丸仕様の車両を購入し、スーパーマーケットと契約を結ぶ。

 とくし丸と組むスーパーマーケットは140社を超え、全都道府県で約1200台(2025年8月時点)が稼働中だ。約18万人に商品を届ける。

 販売パートナーは毎朝、スーパーマーケットの店頭に並ぶ商品をトラックに詰め込む。「販売代行」の形をとり、移動販売にかかるコストの対価として「+20円ルール」を採用。商品1点につき、店頭価格に20円を上乗せして客に払ってもらうのだ。これがスーパーマーケットと販売パートナー、本部に還元される。売れ残った商品はスーパーマーケットに戻され、店頭で値引き販売される。