慣れれば、すぐに見つけられるようになります。あなたの過去の経験が、類似した状況下におけるセンターピンを、海底で岩場を見つける潜水艦のソナーのように見つけてくれるからです。これを、成功体験のパターン認識と言います。

 私が多方面で成果をあげることができたのは、改善スピードによるものですが、特別なことをしているわけではありません。「失敗からヒントを得て、センターピンを見つけ直す」という、この“軌道修正”のスピードが、人より速いだけなのです。

 まとめましょう。

1:「理想のゴール」を明確にイメージする

2:そのゴールのために「今の自分ができること」を書き出す

3:ひとつしか選べないとしたら、どれが最も成果につながるかを決める

4:失敗データを収集しながら、センターピンを捉え直す

5:繰り返すうちに専門性が高まり、1分でセンターピンが捉えられるようになる

 この5ステップで、ぼんやりとしていたセンターピンが、はっきり浮かび上がってきます。あとは迷わず、この一点に集中するのみです。

 センターピンを正確に見つけ出すために必要なのは、才能ではありません。地味な「仮説→実行→失敗データ収集→軌道修正」のサイクルを、他人よりも多く、高速で回すことで、“データベースの精度”を極限まで高めた人なのです。

 こうしたトレーニングをくり返していれば、いつしか自然にセンターピンを見きわめられるようになります。

センターピンが見つからない人に
圧倒的に足りていない重要な要素

 センターピンが見つからない人は、もしかすると「行動」が足りていないのかもしれません。

 入社1年目の新入社員が、いきなりセンターピンを見つけ出すのはハードルが高いと言えます。経験が不足していると、何がセンターピンかわからないのです。

 近年、タイパ(タイムパフォーマンス)という言葉が流行しています。若い人の間では、最小の労力で、最大の結果を出そうとする人が増えているようです。

 しかし、行動して、失敗して、改善する、というトライアンドエラーをくり返さなければ、センターピンを見きわめる力は身につきません。

 逆に言うと、地道なトライアンドエラー、泥臭い「大量行動」によって、センターピンを見つける力は「促成栽培」されていきます。

 私自身、新事業を始めるときは、いつもトライアンドエラーの連続です。