アマゾンで注文するお客さん全体にいえるんですけれど、自分で指定した時間にいないことも平気ですし、その後で帰ってくると、30分しか家にいないのですぐに届けてほしい、という無茶な人もいます。タダで何度も配達してもらっても、それが当たり前という気持ちがあるんじゃないですかね」
ただ、小谷の担当エリアでもデリバリープロバイダを投入する計画は進んでいるようで、配送エリア内に、デリバリープロバイダが立ち上げている配送センターがあり、それを通り過ぎるとき、小谷がその存在を教えてくれた。
正午の段階で《配完》は55件、《持戻》は8件、《残》は48件。午前中の時間指定の荷物は全部運び終わった。小谷の表情が、心なしか穏やかになったように見えた。ヤマトには“3悪クレーム”と呼ばれるものが存在する。(1)玄関先に荷物を放置する(2)時間指定を無視する(3)クレームの対応を誤る――だ。
ヤマトのドライバーの話を聞いて、いつも感じるのは、彼らが常に時間に追われているということ。それは、荷物のほとんどが時間指定となっているからだ。時間指定がなければ、たとえば、時計の右回りのように効率よく配達することができるのだが、時間指定を優先させるため、配達の順番が非効率になってしまう。
さらには不在率の多さもドライバー泣かせである。国交省の調査では、宅配便の不在率は2割という数字が出ているが、それは机上の数字に過ぎない。ドライバーは、不在の届け先には、1日に2度、3度、多いときにはそれ以上訪ね、それでも不在として残るのが2割なのである。







