政治的、社会的意図を持ってデマが作られたというのではなく、あるいは愉快犯でもなく、再生数稼ぎのためのデマだろう。その無機質ぶりにかえってゾッとするところがある。
心が揺さぶられてもちょっと待った!
拡散や賛同コメントをする前にすべきこと
SNSを利用したことのある人なら経験があるだろうが、人は怒りや悲しみによって感情を動かされたときに情報を信じやすく、誰かに知ってもらいたいという気持ちになりやすい。その感情が利用されている。
AIの進歩もあり、誰でも簡単に音声付きの動画を手早く作成できるようになった。AIで作られた動画は単なる面白ネタも多く、見慣れるうちに最初はあったAI動画への警戒心は薄れていく。しかしそこに、完全なフェイクが潜んでいることは覚えておきたい。
念のために書いておくが、生活保護が役所の「水際作戦」により、受給されるべき人にされなかったケースはこれまでにある。このために弁護士が同席するなどの対策が取られている。
過去には、50代男性が「おにぎりが食べたい」と書き残して餓死した事件(2007年の小倉北餓死事件)など、生活保護を受給できず困窮した人がいるのも事実である。
日本は海外に比べて生活保護の補足率が低いと指摘されており、受給資格のある人に生活保護が行き渡ることが必要であるのは言うまでもない。
しかし、今回のようなデマは役所に要らぬ手間を取らせるだけであり、あってはならないことである。
感動的な動画に心を揺さぶられても、それはデマや、根拠不明の情報かもしれないと拡散する前に立ち止まることが必要だ。
拡散や賛同コメントをする前に、できることはいくつかある。
・拡散されている動画やテキスト内に、辻褄の合わない内容や、関係のない画像が使われていないかを確認する。
・そのニュースが報道されているのか、実際のニュースを確認する。
・ニュースを確認する際には、日時がまず重要。古いニュースが今のことのように拡散されている場合もある。
・マスコミの報道に出ていない情報が動画にある場合は、その根拠がどこにあるのか確認する。確認できない場合は疑いを持つ必要がある。
心構えとして必要なのは、「再生数を稼ぐためにデマのストーリーを拡散する人がいる」と理解しておくことだろう。
福岡市が開示請求を行っていることからもわかる通り、正義のつもりの拡散が、加害者側になってしまうことがある。インターネットを使う誰しもが「加害側」にまわる可能性があることは何度でも確認しておくべきだろう。







