兵庫県警も注意喚起!デマで扇動する悪質インフルエンサーを見抜く5つのポイントとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

ネット上のデマや誹謗中傷はここ10年ほどたびたび話題になるトピックだが、ここへ来てさらに深刻度を増している。デマを信じ込んだ多数の人が誹謗中傷を行い、しかもそれが「正義」と思い込んでの行動であるため、なかなか収まらない。人の感情を操る「扇動者」にはテクニックがある。覚えておきたい。(フリーライター 鎌田和歌)

正義感ゆえだから恐ろしい

 1月23日、兵庫県警がXで「確たる証拠がないのに、推測・憶測で人を傷つけるような書き込みをするのはやめましょう。」などの注意喚起を行った。

 18日に亡くなった竹内英明・元兵庫県議の件を重く捉えてのことと考えられる。

 すでに報道されている通り、竹内元県議は生前からネット上やそれ以外での誹謗中傷に悩み、さらに死後にも「逮捕間近だった」というデマが流れた。兵庫県警は20日に本部長が「全くの事実無根であり、明白な虚偽がSNSで拡散されていることについては極めて遺憾」と明確に否定した。

 発端とされる立花孝志氏(NHK党党首)が「間違いでございました」と謝罪したことでようやくこの逮捕デマについては下火となった。しかしそれまでは県警が否定したと報道されても「警察が捜査情報を明かすはずない」など、逮捕予定があったと思い込みたい人の書き込みが見られた。人はいったん何かを信じ込むと、それを変えるのは難しいのだと改めて感じさせられた。

 兵庫県警の注意喚起はまったく正しいし、この混沌の中での行政機関のメッセージとして行われるべきものであるが、悲しいかな、デマを流している本人たちにとっては自分の書き込みがデマだとはわからない。もちろん中には意図的にデマを流す人もいるが、多くの人は煽動する者に煽られて、純粋に信じ込んで書き込んでしまう。

 兵庫県警のメッセージは「たとえ、それが正義感に基づくものであったとしても、刑事上・民事上の責任が生じる場合があります。」と続く。正義感ゆえだから恐ろしいし、「たとえ刑事責任を問われても構わない。なぜなら巨悪と戦っているのだから」と思っている人さえ中にはいるのではないか。