能登半島地震で「デマ」再び、東日本大震災時から様変わりしたそのリスクとは新年の日本を襲った令和6年能登半島地震。思い出すべき東日本大震災の教訓とは Photo:ロイター/アフロ

新年から能登半島が大地震と津波に見舞われた日本。東日本大震災を思い出させる大きな揺れが、正月気分を吹き飛ばした。そしてSNSでは今回もまた流言飛語(デマ)が拡散してしまっている。なぜデマは繰り返されるのか。そして、以前よりも増大してしまったそのリスクとは。(文/フリーライター 鎌田和歌)

新年の日本を揺るがした天災
そして繰り返されてしまったデマ

 今年の正月休みは12月31日で終わったようなものだ。元旦に発生した令和6年能登半島地震と津波、そして2日の羽田空港の事故と、とても正月気分ではいられない天災、事故が続いた。被害に遭われた方々が少しでも早く安心して眠ることができるように、願ってやまない。

 また、直接的に被害に遭っていなくても、新年からこのような大きなニュースが続くことで、気持ちが不安定になる人もいるだろう。一時的にスマートフォンの電源を切るなど、入ってくる情報量を意識的にカットすることも、人によっては必要だ。

 このように大きな地震が起こると必ず発生するのがデマ(流言飛語)だ。大昔から続くことではあるが、現代ではインターネットにより瞬時に大拡散される事態になっている。

 今回の能登半島地震では、発生直後から家屋やビルの倒壊が報道され、街中の定点カメラからもそれが確認された。

 SNS上では「挟まれて動けない」「助けて」といった投稿が住所や氏名付きで複数投稿され、1月1日、2日の時点で大きく拡散されていた。しかし、この中には虚偽の投稿もあったようだ。

 共同通信が1月2日の記事「『息子挟まれた』虚偽投稿 SNS、不安募らせる女性」(https://nordot.app/1114905779669844512)で報道したところによれば、住所とともに「息子が挟まって動けない」という内容を投稿された石川県の女性の元に警察からの問い合わせなど相次いだが、この女性に息子はおらず、人的被害もなかったという。