重層的な下請けの構造が広がる建設業界では、元請けの倒産が多くの取引先に影響を及ぼす。近年にはなかったクラスの大型倒産で業界に緊張が走り、取引先への審査強化や与信見直しの動きも広がるようになった。
かつてのゼネコン不況とは異なる
建設業の新たな「構造的問題」
1990年後半から2000年代はじめ、バブルの後遺症と公共工事の削減に苦しんだ建設業界は、大手も不振に喘ぐ「ゼネコン不況」が吹き荒れた。上場ゼネコンの倒産が相次ぎ、下請け業者が連鎖倒産の憂き目にあう事例も多発した。建設業は「構造不況業種」の筆頭に挙げられ、各社は生き残るために人減らしによるリストラを急いだ。
あれから四半世紀が過ぎた現在、建設業を取り巻く状況は大きく変わった。都心部や地方都市での再開発工事、防災・減災工事、企業の設備投資など民間工事も堅調で、仕事は豊富にある。国土交通省によると、建設投資(政府・民間)は2015年以来、右肩上がりで増加している。
だが、その一方で建設業の就業者数は、1997年の685万人をピークに減少を続け、2024年は200万人以上少ない477万人にまで落ちこんだ。ベテランは退職年齢を迎えるが、若手は集まらない業界の代表格で、外国人就労者なくしては回らない現場も多く、人手不足の克服が喫緊の課題だ。
2024年4月から時間外労働の上限規制が施行され、2025年12月には改正建築業法が全面施行され、標準労務費が導入された。建設業界は、技能者の処遇改善を通じた担い手確保を目指す動きが活発化している。
だが、これらは同時に工期遅れやコスト負担への対応が不可欠で、経営体力の乏しい業者にとってはもろ刃の剣にもなりかねない。そして、ここにジワリと金利上昇が追い打ちをかける。建設業界はもともと借入依存型の資金繰りだったが、過剰債務で資金を借りにくい環境下での金利上昇は深刻だ。
建設業は以前の「ゼネコン不況」とは違った意味での構造的問題が浮き彫りになっている。小規模企業の息切れに加えて、地方の大手や中堅規模以上破たんも織り込みながら倒産の増勢が続く可能性が高まっている。







