それが直属の上司であったり、同じチームのメンバーであったり、仕事を進める上での重要なキーマンであったりすると尚更です。

 しかも一度、「この人は敵かもしれない」と相手に思われてしまうと、その印象を払拭するのは想像以上に大変なものなのです。

 ここで決して間違えて認識してはいけないのは、敵を作らないとは、「全員にいい顔をする」ことではないということ。

 むしろその逆で、「どんなに相手と考えや意見、価値観が違っても、敵対関係に陥らないよう、自分の信念や軸を持ちつつ柔軟にバランスをとる」。

 そうしたしなやかな姿勢のことなのです。

「敵を作らない=無敵」という働き方

 ここでいう“無敵”とは、力ずくですべての敵を倒す強さではありません。

 そもそも「敵を作らない」から「戦う敵がいない」という状態であり、そもそも「戦う必要すらなくなる」という戦略です。

 戦わないので誰も傷つけずにスムーズに物事が前に進んでいくという「対立を生まない働き方」とも言えます。

 もちろん、すべての人に好かれることも無理ですし、人間には様々な価値観や考えや欲求がある以上、敵を完全にゼロにすることは難しいかもしれません。

 ただし、日頃の意識・習慣が変われば敵をゼロに近づけていくことは可能です。

「好かれる」ことを目指すよりも「敵にまわさない」という敵無しの状態を作ることの重要性はわかっていただけたのではないでしょうか。

 そのためには「好かれるため・味方を作るための上辺だけのテクニック」を身につけるのではなく、人としての在り方や思考・丁寧な接し方を日頃から意識して習慣づけていくことが大切になります。

■敵意や攻撃を招くような言動を避け、誠実に丁寧に相手と対話を重ねる。
■誰とも争わず、衝突を避けるのではなく、多様な人としなやかにつながりながら自然と信頼され、協力が得られていく。

 こういった働き方こそが、これからの時代に必要とされる新しい「無敵のスタイル」なのです。

 一見、目立たず、地味に見えるかもしれません。でも、こうした人の周りには、確実に信頼の輪が広がり、いざというときに「自分の信念のもと意見を呈することができる」のです。