「いつも、考えすぎて損してばかり!!」
日本人は礼儀正しくて、とても優秀……なのに、日々必要以上に思い悩んでいないだろうか?
“究極の合理思考”を身につければ、もっと楽しくラクになる」――。数十億規模の案件に関わり、インド人部下オペレーションを経験したインド麦茶氏は、「常に自分中心」「短期志向」「無計画で今を生きている」ように見える彼らに「日本人が幸せを謳歌するための“ヒント”」を見出したという。
新刊『インド人は悩まない』では、人口14億・上位1%が富の40%以上を所有する超競争・過密・格差社会を生き抜く人々の「規格外の行動力」と「抜け目なさ」の秘密を紹介している。今回はその魅力の中から一部をお届けする。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)

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ロータリーで乗り降りする小金持ち

済発展著しいインドの休日の娯楽といえば、巨大ショッピングモールでの買い物だ。
広く万人を対象とした娯楽イベントや娯楽施設が限られているインドにおいて、巨大ショッピングモールは、重要な娯楽の一つである。

インドは、年収数千万円くらいの小金持ちくらいになると、自家用ドライバーを雇って車を運転させることが一般的だ。ショッピングモールのロータリーには車が次から次へと入ってきて、車のオーナー家族が乗り降りする光景に出くわす。

世界最大の人口を誇るインド首都デリーのショッピングモールのロータリーともなれば、どれだけ混雑しているか想像していただけるだろう。そこはクラクションの嵐で、次から次へと車が来て、乗り降りする人でごった返す。同じような光景は当然駅のロータリーなどでも起きている。

行列があっても、気にしないで悠々と乗り降り

インドでの駐在生活が始まってすぐのころ、私はできるだけ周囲の迷惑にならないように、このような場面で、いかに短時間で乗り降りができるか頑張っていた。ロータリーの向こう側に自分の車が見えると、気合を入れ(インド駐在員の多くはドライバー付の社用車を移動に使う)、自分の番になるとすぐに飛び乗る。飛び乗った拍子に頭をぶつけてたんこぶを作ったり、荷物をドアに物をはさんだりした。

一方、インド民はというと、全く焦る素振りもなく悠々と車に乗り込み、表情一つ変えずに、大きな荷物を積み込んで、「完全に自分のペース」で乗り降りをする。何十台もの後続車両を気にすることなく、やっと自分の番が来たと言わんばかりに、ほんとうに堂々としている。

この手の民族や国民性について語るときに、「N=1の例にすぎない」という批判があるが、これまで何百、何千という事例を実際の生活の中で観察してきたので、間違いなくマイペースの乗り降りはインド民の特徴と言って差し支えないだろう。
私は、周りを気にしすぎて、まるで何かに追い立てられた小動物かのように焦って車に飛び乗る自分が、途中からばかばかしく思えてきた。

ひたすら自分のことを考える「メンタルの基礎」

お店のレジでも同じようなことが起こる。インド民は一つ一つの動作がマイペースだし、途中で追加の商品を取りに戻ったりする姿に、私はイライラする。日本人なら買い忘れたものがあってもあきらめる(=自分が損を飲み込む)という選択をする人も多いだろうが、インド民はそんなことでは悩まない。

日常の些細な出来事かもしれないが、私は、インド民の様子を見ていて、「ひたすら自分のことを第一に考える」思考と態度が一点の曇りもなく存在していることに驚いた。メンタルの基礎が全く違うのである。

もちろん日本にもふてぶてしい者がいる。しかし、日本人の場合、心のどこかで自分のふてぶてしさを理解している点が、インド民と比べるとまだかわいい。このメンタリティの違いはどこから来るのか。“特定のすごい人”の行動様式ではなく、広くインドで暮らす人々に共通して、これだけ図太いメンタルを持っていることには、何か秘密があるはずだ。14億人のインド民が自然体で暮らしているなかで、培われた思考法がそこにはある。

あなたが他人のことを「考えすぎて」苦しんだり悩んだりしているのであれば、ぜひ本書『インド人は悩まない』から生き方のヒントを探してみてはいかがだろうか。

(本記事は『インド人は悩まない』に関する特別な書き下ろし原稿です)