高市首相を支持している人の多くは「岸田・石破にはない決断力・実行力のある強いリーダー」を期待している。中国を激怒させる「台湾有事」発言も勇ましいと褒め称えられ、1300兆円超えの政府債務があるなかで積極財政を掲げても「日本経済復活」とお祭り騒ぎになるのも「強さ」への期待感からだ。
そんな「爽快感のある強いリーダー」がここ一番の大勝負で掲げたのが「減税の検討を加速します」という岸田前首相のようなもの言いでは、期待値が異常に高かっただけに失望も大きくなってしまう。低いところから転落するよりも、高いところから落下するほど「大怪我」になるものだ。
ただ、高市首相をかばうわけではないが、消費減税に関して「検討使」になってしまうのもしょうがない。今回、解散の意志を自民党執行部に伝える際の写真がわかりやすい。
自民党総裁である高市氏の両隣には、麻生太郎副総裁と鈴木俊一幹事長がまるで取り囲むように立っている。
ご存じのように、麻生氏は消費減税に否定的な財政規律派のドンともいうべき存在だ。わずか4カ月ほど前にも自身の派閥で、消費減税を掲げる立憲民主や国民民主をこんな風に批判した。
「少子高齢化のなかで増え続ける社会保障費をみなで負担し合うことは、与野党の垣根を越え、日本の将来という大局に立って決断されたのではなかったのか」
また、赤字国債を発行してでも消費税率を下げるべきだという割合は少ないという世論調査結果を引き合いに「将来世代につけを回すことに違和感を持つ人は数多くいる」と述べている。
党内基盤の弱い高市氏が自民党総裁選で勝てたのは麻生氏のおかげだ。いくら「不義理」と「裏切り」が当たり前の世界とはいえ、首相になってまだ3カ月ほどで世話になった「キングメーカー」と真逆の「公約」を打ち出すことなどできるわけがない。
一方、高市首相の代わりに実質的に今回の選挙を仕切る鈴木幹事長も、元財務相で「財政規律派」の筆頭である。しかも麻生氏の「義弟」なので絶対にこの方針を裏切ることなどできない。







