つまり、高市首相がどんな国民的な人気があろうとも、消費減税が「悲願」だと訴えたところで、今の自民党の体制では、食料品の消費減税は「検討を加速」どまりになってしまう可能性が高いのだ。
そう聞くと「だからこそ解散総選挙が必要なんだよ」と主張する高市支持者も多いだろう。実はこれまで高市氏を応援してきた党内保守系議員は、裏金問題などで「落選」してしまった者が多くいる。前々回の総裁選で高市氏を推薦した20人の国会議員のうち、なんと9人が落選してしまっているのだ。
今の「高市人気」にあやかればこういう「落選組」を国政にカムバックさせることができる。また、安倍晋三元首相がやったように新人を多く擁立して「高市チルドレン」をつくり出せば、党内で「高市派」を一大勢力にできる。つまり、麻生氏を筆頭とする財政規律派を、数の力でねじ伏せることができるのだ。
そんな「成功シナリオ」を思い描いて、高市自民の応援に熱を入れている方もたくさんいらっしゃると思うので、またしても水を差すようなことを言うのは心苦しいのだが、もし仮にそのシナリオ通りになったとしても、高市首相が「じゃあさっそく消費減税します!」と宣言するのは難しい。
いくらネットやSNSで「ザイム真理教をぶっ潰せ!」と熱烈な支持を受けようとも「市場」が黙っていないからだ。
財源不足は財務省の洗脳?
世界に一切通じないロジック
高市政権が積極財政を掲げてから株高、円安、債券安といういわゆる「高市トレード」が進んでいるが、「解散総選挙」の報道でさらにそれが加速している。
1月19日の円相場は1ドル160円近くまで円安・ドル高に振れ、長期金利の代表的指標の新発10年物国債の流通利回りも一時2.275%に上昇して債券価格は下落。ここまでの利回りの高水準は1999年以来、約27年ぶりのことだ。
これは「日本って財政規律とかどうでもよくなったの? なんかヤケクソになってない?」と市場が警鐘を鳴らしているのだ。そこに日本の首相が財源もないのに「消費減税やります」と高らかに宣言したら、「円」の価値もガクンと落ちることは言うまでもない。通貨とはその国の信用をあらわしているのだ。







