「一番泣いてしまいました…」路面電車が走る広島駅ビル「minamoa」、担当者が語った工事の舞台裏広島電鉄新ホーム(筆者撮影)

2025年3月24日に開業した広島駅の新駅ビル「minamoa(ミナモア)」が間もなく1年を迎える。8月3日には広島電鉄の駅前大橋ルートが開業し、minamoaの2階に乗り入れたことで駅と市街中心部の距離は大きく短縮した。この1年の振り返りと今後の展望について、JR西日本中国統括本部経営企画部広島駅プロジェクト係長の齋藤賢太郎氏に話を聞いた。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

整備年代が古いこともあり
課題が多かった広島駅

 町はずれの駅と都心を路面電車が結ぶ広島は、かつては全国でみられたが、今では珍しい構造の都市である(2025年8月4日付「広島電鉄「駅前大橋ルート」開業…100万都市で地下鉄ではなく路面電車が走り続けるワケ」参照)。

 鉄道開業以来、広島駅は街の玄関口の位置づけだったが、1965年の「ひろしま駅ビル」開業以降は駅周辺の開発が進み、現在では「広島駅周辺地区」と「紙屋町・八丁堀地区」が東西の核に位置づけられている。

 だが、ターミナルとしての整備年代が古いこともあり、路面電車の乗り場が離れている、バス停が駅周辺に分散しているなど、交通結節点としての機能が不十分だった。また、駅前広場に待合場所やにぎわい・交流空間が少ないなど課題が多かった。

 そこで広島市は1999年に「新たな公共交通体系づくりの基本計画」を策定し、議論に着手。2014年に駅南口広場再整備の基本計画を決定し、広島電鉄の駅前大橋ルート整備とあわせて築50年を迎える駅ビルの建て替えが決定した。

「一番泣いてしまいました…」路面電車が走る広島駅ビル「minamoa」、担当者が語った工事の舞台裏広島駅に乗り入れる車内から(筆者撮影)