ほとんどの場合、猫の鳴き声を人間の言語に沿って定義し、子音と母音のパターンを割り出して、人間の文字を当てはめようとするものだった。
人の言葉を使うと信じられ
猫語の辞書が作られた
18世紀の博物学者デュポン・ド・ヌムールは、猫と犬を比較して次のように書いている。
「猫は言語においても優位であり、犬の発音する母音に加えてm、n、g、h、v、fの6つの子音を有する」
この説をさらに進め、猫が実際に人間の言葉を使っていると主張する者もいた。
1895年、音楽家で愛猫家のマーヴィン・R・クラークは『ネコとその言語』という本を出版した。この魅力的ながらも、やや困惑せざるをえない本では、フランスの博物学者アルフォンス・レオン・グリマルディなる人物による『猫の言語のすばらしい発見に関する論文』が紹介されている。
それによると、グリマルディは猫の言語を解明し、(猫が「上品に」使うとされる)母音と子音、文法、そして単語や数を徹底的に分析した。
そのなかで、猫語に不可欠だという17の単語が挙げられている。
Aelio 食べ物
Lac ミルク
Parriere 開けて
Aliloo 水
Bl 肉
Ptlee-bl ネズミの肉
Bleeme-bl 調理した肉
Pad 足
Leo 頭
Pro 爪、鉤爪
Tut 手足
Papoo 体
Oolie 毛
Mi-ouw 気をつけろ
Purrieu 満足、快適
Yow 駆除
Mieouw ここ
グリマルディはさらに続ける。「猫の言語には、名詞や動詞を文頭に置く決まりがある。これは次に続く言葉に対して相手の注意を引くためだ」。それだけではなく、彼は猫が数もかぞえられると考え、「Aim」(一番)、「Zule」(きわめてたくさん)といったリストも作成した。
言うまでもなく、グリマルディの「翻訳」に対してはさまざまな反応があった。ほとんどはばかげていると一刀両断に切り捨てた。
だが、奇妙きてれつな説に交じって、わずかだが貴重な洞察もある。たとえば、怒った猫についての項には多くの人が共感するだろう――「破裂音の“yew”は嫌悪感や宣戦布告を表す最も強い表現だ」
人間に好かれるように
意図的に鳴き声を使い分ける
1944年、アメリカの心理学者ミルドレッド・モエルクが自身の飼い猫が発する鳴き声の音声学的研究を発表し、猫の言語界に革命を起こした。彼女は発声方法に基づいて猫の鳴き声を大きく3つに分類した。







