公平性(F)は必要条件です。公平性が欠けている場合、どれほど魅力的で面白い仕掛けであってもスコアは0点となります。

 仕掛けスコアが7点以上であれば、仕掛けの要素がバランスよくそろった優れた仕掛けとみなされ、合格ラインとなります。

 5~6点は何らかの要素が弱いため改善の余地がありますが、仕掛けのタネとしての可能性はじゅうぶんにあります。

 1~4点は要素の欠落が目立ち、抜本的な再設計が求められる状態です。

 0は公平性が欠如しており、そもそも仕掛けとして成立していないことを意味します。

通行人の気持ちをくすぐる
完成度の高い仕掛け

 まずは、完成度の高い仕掛けを見ていきましょう。

 阪大近くの石橋エリアにあるこの居酒屋の扉はとても重く、開けるのが大変でした。

 そこでオーナーが書いたのが「石橋一重たい扉」。

 こう書かれたらどうしても開けたくなりますし、開けること自体が楽しくなります。

 お客さんは確実に入店するため集客効果も高まります。実に巧みな「仕掛け」です。

 現在は改装されて扉が軽くなってしまったため、残念ながらこの貼り紙はなくなってしまいました。

 店内には「美人お断り」など面白い貼り紙があちこちに貼られています。

 オーナーの貼り紙はネガティブな要素を即時にポジティブに変える力があり、お手本のような仕掛けなのです。

石橋一重たい扉石橋一重たい扉(松村氏より提供)
●4つのポイント
公平性(F):1点
誘引性(A):3点
目的の二重性(D):3点
ユーモア(H):3点

●仕掛けスコア…F×(A+D+H):9点

●コメント:また扉が重たくなることを願っています