タヌキはイヌ科なのでフランス語でchien viverrinという単語を用います。でもタヌキを見たことがないフランス人は、この言葉を聞いてもその姿は思い浮かびません。フランス人に「タヌキの写真を撮ってきてください」と頼むと、犬やキツネの写真ばかりが送られてくるかもしれません。
タヌキを理解してもらうには「イヌ科でも犬とは違う」「アライグマによく似ているが、尾に縞柄はない」などの特徴を説明し、タヌキという概念を頭に入れてもらう必要があります。
このように何かを理解するには、基本的な概念の認識が欠かせません。フランス人が「タヌキ学」を学ぶなら「タヌキ」の概念から学ぶ必要があります。同様に私たちが仕掛けを見つけ出すためには「仕掛け」の概念をインプットしておくことが大切なのです。
日常で抱いた違和感が
仕掛けを見つける鍵
仕掛けは街のあちこちに隠れていますが、はじめのうちはなかなか気づかないものです。どうすれば、仕掛けに気づきやすくなるでしょうか。
仕掛けを発掘するときに不可欠なのは違和感、つまり「あれ、何か違う?」というちょっとした引っかかりの感覚です。
駅などの目的地へ向かうときや考え事をしながら歩いているときなどは、多少見慣れないものがあっても通り過ぎてしまうものです。また、急いでいるとそのときは気づかなくても、通り過ぎたあとになり「あれ、何か普段と違っていたかも」と違和感が残る場合もあります。
仕掛けを見つけるときは、こうした違和感を見逃さないことが重要です。「何か違っていた」と感じたらその場所に戻り、もう一度よく観察してみます。無意識に違和感を覚えた場所には、必ず何か違うところがあるはずです。
人の知覚はすぐ馴化します。最初に違和感を覚えても、2回、3回と目にするうちに見慣れて何も感じなくなってしまいます。
最初の違和感をスルーしてしまうとすぐに日常に埋もれてしまうので、その前に仕掛けを発掘しなければなりません。







