プロポーズの後、庄田はどうしただろうか?
この重要な場面、断られた瞬間とそのあとの庄田の反応は描かれていない。描かれなかった部分も濱さんはこう想像した。
「庄田としては、どうかなという不安も若干ありながらも、でもいけるんじゃないかという方向だったんですけどね(笑)。揺れながら言ってみたら断られてしまって……。そのあとの庄田のシーンはないですが、断られた後はとてつもない気まずさを覚えたと思います。本当に頭が空っぽになってしまったのではないかと。
プロポーズしたときのサワはとても輝いた目をしていたんですよ。そのときのことを思い返しては、なんでダメだったのか考え続けたと思います。
庄田は学問に関しては優秀ですけれども、恋に関しては全くもう器用なタイプの男ではない。でも、いつも他人のことを慮っているので、帰り道、サワが断った気持ちを考えたでしょうね。台本を読んだうえで客観的に考えると、サワは自力で長屋を出たいという強い信念みたいなものがあるので、庄田もそう感じたのではないでしょうか」
翌週、第18週、第86回。庄田は松江中学に教師として赴任し、生徒たちに挨拶する。「錦織の同期で……」と錦織との関係を語っていたと思ったらふいに「先日、」と言ったあと「結婚を申し込み、フラれてしまった……」と言い出す。
誰にと言わないので、事情を知らない人が聞いたら錦織に振られて!?と誤解されてしまいそうな(あるわけないとはいえ)とても面白い台本だと筆者は感じた。
そう言うと、「いま、そう言われて初めてそれに気づきました(笑)」と答えた。そんなことを考えもせず「ふつうに演じた」と、相手の考えと違うことを言うにしても、そのニュアンスがじつに柔らかで、いい人だなと思った。
「庄田はフラれたあと、やっぱりサワさんのことが頭から離れなかったと思います。とてもインパクトのある出来事ですから。松江中学の教師になったのは、サワさんと結婚したかったからで、スーツを着て教壇に立っていると、サワさんのことを思い出してしまうんでしょうね。生徒が目の前にいるのに見えなくなっちゃうみたいな感じで演じてみました」
こうして庄田は松江で教師をやっていく。出番は終盤まである。
「『ばけばけ』はこれから思いもよらないすごいことになっていくので、心してというか楽しみにしていてほしいですし、庄田は目下、傷心中ですが、松江中学で教師として、錦織とヘブンさんと一緒に頑張っていくので、見守ってください」
はま・しょうご○1994年8月22日、東京都生まれ。2015年デビュー以降、主な出演作にドラマ「何かおかしい」、「毒恋~毒もすぎれば恋となる~」、Huluオリジナル「おとなになっても」など。NHKでは連続テレビ小説「舞いあがれ!」、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(第9回 平維盛役)、「恋せぬふたり」などがある。








