独学や学び直しに取り組んでいるのに、「ある段階から成長が止まった」ように感じることはないだろうか。
努力しているのに成果が出ない原因は、能力ではなく「学び方」にあるかもしれない。『ULTRA LEARNING 超・自習法』は、どんなスキルでも「最速で身につけるための勉強法」を示した一冊。本連載では、ウォール・ストリート・ジャーナル・ベストセラーにもなった本書の「学習メソッド」を紹介していく。(構成:ダイヤモンド社書籍オンライン編集部)
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なぜ熟練者ほど「実験」が必要か
新しいスキルを学び始めたばかりの頃は、正解がはっきりしている。
他人の成功例をなぞり、教材や先生の指示どおりに進めば、一定の成果は出る。
しかし本書には、スキルが向上するにつれて、その方法が通用しなくなると書かれている。
理由は単純で、教えてくれる人がいなくなるからだ。
学習初期は、多くの人が同じ場所からスタートするため、道は踏み固められている。
だが上達するほど、参考にできる人は減り、学習は個別最適化されていく。
この段階で重要になるのが「実験」である。
著者は、他人のやり方を真似るだけでは前に進めなくなったとき、自分で試し、確かめ、調整する姿勢が不可欠だと述べる。
初心者は知識を足せば伸びるが、熟練者は不要なやり方を捨てなければ伸びない。
上達すると、学習した内容を捨てる必要が出てくる。以前は解けなかった問題を解く方法を学ぶだけでなく、古くて効果のないアプローチは忘れてしまわなければならないのだ。(『ULTRA LEARNING 超・自習法』より)
実験は3つの層で考える
本書では、実験にはレベルの違いがあると説明されている。
それが「学習リソース」「方向性」「スタイル」の3つだ。
まずは学習リソース。どの教材を使うか、どの方法で学ぶかを試す段階である。重要なのは、試すだけで終わらせず、一定期間やり切ることだ。
次が方向性の実験だ。上達するほど、「次に何を学ぶか」の選択肢は増える。語学なら、文学か、ビジネスか、日常会話かを選ぶ必要が出てくる。
最後がスタイルの実験である。執筆、デザイン、リーダーシップなど、多くの分野には「唯一の正解」は存在しない。
画家のゴッホが、伝統的技法から日本の木版画まで幅広く試したように、スタイルは試行錯誤の中でしか見つからない。
さまざまなスタイルを試してみるには、すでに存在するスタイルを幅広く確認することが重要だ。(『ULTRA LEARNING 超・自習法』より)
実験できる人が成長し続ける
現代は、AIやテクノロジーの進化によって、仕事のやり方が急速に変わってきている。
2026年現在、生成AIをどう使いこなすかで、生産性に大きな差が生まれる。
こうした時代に必要なのは、正解を待つ姿勢ではなく、安全地帯の外に一歩踏み出す力だ。
独学とは、孤独に耐えることではない。自分で試し、自分で確かめ、前に進む技術なのである。





