長嶋にとっての最後のシーズンとなった1974年シーズンの前年のシーズン終盤、遠征先の広島で川上哲治監督と2人きりの食事のときに、川上は「自分は今年かぎりで監督の座を降り、あとはお前に任せる」と告げた。
しかし、長嶋は「もう1年、最後の勝負をさせてほしい」と懇願する。その言葉を聞いた川上は、「よく本心をいってくれた」と長嶋の願いを受け入れた。
『長嶋茂雄 永久に心を熱くする言葉「積極果敢」で生きる80のヒント』(児玉光雄、清談社Publico)
最後のシーズンとなった1974年、長嶋の成績は442打数108安打、打率2割4分4厘、本塁打15本というやや不本意な成績に終わったが、その時点で、もはやプロ野球選手として思い残すことも、未練も、きれいさっぱり彼の心の中から消え去っていた。
このことに関して、アメリカ・コーネル大学の心理学者トーマス・ギロビッチ博士の研究によると、人は短期的に「やってしまったこと」に対する後悔をよく覚えているが、長期的には「やらなかったこと」への後悔をよく覚えているとのことだ(『世界最先端の研究から生まれたすごいメンタル・ハック』清談社Publico)。
人生は一度きり。「後悔、先に立たず」の教えにあるように、すでに終わってしまったことを悔やんでも取り返しがつかない。
長嶋のように徹底して「やらない後悔より、やる後悔」を優先すれば、人生はもっと有意義になる。







