前述の供給戸数と平均価格の背反関係から、来年の供給が減少することは必至となる。なぜなら、建築単価の上昇は顕著であり、来年の新築平均価格が上がることが既に決まっているからである。

買いたい人が買えない状況に…

 価格が上がることにより買える人は少なくなり、売れ行きは悪化するので、供給戸数は下がる。ゆえに、2026年の価格上昇と供給減少が今後の市場の見方の大前提となる。2025年の2万1962戸から供給が減少するので、2万戸割れが現実味を帯びてくる。

 過去最大の供給戸数は2000年の9万5635戸なので、四半世紀を経て、当時の8割減に相当することになる。一方で、自宅を買いたい人はそんなに減らないので、買いたい人でも買えない状況であり、ファミリーを中心に賃貸世帯の比率が上昇していることになる。

 こうなると、ファミリー賃貸層の増加に対してストック不足が発生するので、需給はひっ迫し、稼働率は上がり、家賃は上昇に向かう。実際、ファミリーの賃料変動率(入居期間4年程度で同じ住戸の賃料の変動率)は、J-REIT(日本版不動産投資信託)では20%近くまで上昇し始めている。建築単価上昇で大量供給が起こり得ない現在、当面市況は大きくは変わらない可能性が高い。

 供給する側のデベロッパーも危機意識は強い。マンション用地が十分に買えていない状況では、将来的な売り上げが見込めない会社も多くなってきた。マンション用地は高い建物が建つ場所になるが、ホテルやオフィスの市況は良くマンションよりも収益性が高いため、供給増加に寄与しない状況にある。このため、まとまった用地を意図的につくり出すケースが増えてきた。

 その方法の1つは定期借地権で、その供給は1502戸となり、過去最多だった2008年の1281戸を上回った。今後もこの傾向は続くものと思われる。

 また、建て替え案件も増えてきて、地権者が多く存在する物件が目立つようになってきた。それでも用地不足は深刻なので、原価が上がっても「地上げ」するケースも散見されるようになってきた。これまで規模が小さいという理由で敬遠されていた総戸数30戸以下の土地もマンション開発されるようになってきている。この状況では用地単価も上昇する方向に動き、今後供給される分譲価格はさらに上昇することになる。