話せそうなネタを見つけたら
まずは身近な人に話してみる

 失敗談に目を向けると、私の場合、1日1ネタくらいは簡単に見つかります。ただ、これは講演会の冒頭で場の空気をなごませるために使えそうだと思っていても、面白く話せるかどうかはわかりません。

 そこで、家族など身近な人を相手に、試しに話してみるということをよくやります。テニスの壁打ち練習のようなイメージですね。

書影『脳が長持ちする会話』(大武美保子、ウェッジ)『脳が長持ちする会話』(大武美保子、ウェッジ)

「こうするはずだったのに、こうなってしまった」というテンプレートに沿って、一度アウトプットしてみると、話す順番や2、3分に短くまとめるコツがつかめます。さらに、相手を変えて数回話して、場の空気がなごむようであれば、できればすべりたくない場で使える「最近の話」のネタをアップデートすることができます。

 失敗談がウケたかウケなかったかを、気にする必要はありません。大切なのは、「この話、面白いかな?」と頭を使い、その体験を覚えておき、実際に話してみることです。認知症になると大きく低下する認知機能である、体験を新しく覚える機能を底上げすることができます。

 会話にユーモアを交えようと日頃から意識していると、頭の使い方が変わってきます。ユーモアのセンスなんてないと思っている人でも、失敗談ならトライしやすいでしょう。

 もちろん、試しに話してみる壁打ちをすると良いのは、失敗談に限ったことではありません。自分の体験を、すべってもとがめない人に一度話しておくと、いざというときに話題を提供でき、コミュニケーションを楽しめます。壁打ちは、アウトプットのための大切な準備になるのです。