彼女は仕事に打ち込み、6年もするとニューヨーク支店長の打診を受けるほど、社内での評価が高まりました。

 しかしそのころ、成秀さんが立ち上げたオフィスデザイン会社がやっと軌道に乗り始めました。

「会社を一緒に育ててほしい」という成秀さんの説得に悩んだ末、郁久美さんはキャリアを手放し、夫の会社を支える道を選びました。

 それから10年、成秀さんの会社は右肩上がりで業績を伸ばしていました。

 そのころ、郁久美さんの母親の介護が必要になり、会社を辞めて家事と介護に専念する生活に入りました。

夫の浮気を確信も
事実を知った後どうすれば?

 それから半年後、家事と介護の両立にも慣れたころ、成秀さんの会社に勤めている女性から、信じ難い話を聞かされます。

 会社の懇親バーベキューの場で、成秀さんが新入女性社員の鴨田悠美さん(かもだ・ゆうみ、22歳)と、他の社員の前で堂々と手をつなぎ、膝に乗せたり、2人で2時間近くも姿を消したというのです。

 悠美さんは、成秀さんが「期待している」と公言していた新卒の社員5人の1人で、自宅での食事にも招いており、郁久美さんとも面識がありました。

 郁久美さんの手料理を食べて「料理上手ですね!教えてください!」や「郁久美さんのファッションのセンスも学びたいです!」などとなついてくれる姿に、子どものいなかった郁久美さんは、彼女を娘のようにかわいがっていたのです。

 さらに気持ちをかき乱す情報が入ってきました。

「仕事終わりに家は逆方向なのに2人でタクシーで帰った」
「接待ゴルフに悠美さんを同行させている」

 成秀さん自身の行動も変わっていきました。

 以前から同僚や取引先と月に2回はゴルフに行っていたのですが、早朝には家を出て昼食を取って午後2時くらいには帰宅するのがお決まりでした。しかし、2カ月ほど前から熱心になったのか、ゴルフ後に打ちっぱなしに行くと言って、夜まで帰ってこなくなりました。