離婚を決めた人より
長く深く苦しんでいる人たち

 郁久美さんのように感じている方は多くいると思います。人が人との関わりは、一つひとつはささいに見えても、積み重なれば簡単に切れるものではありません。

 私は、何度もうなずきました。

 それは、弱さではありません。

 人生を本気で生きてきた人ほど、簡単に割り切れないのです。

 探偵の仕事は、証拠を集めることだけではありません。

 話を聞くことも、大切な仕事です。

 決められない、でも苦しい。誰にでも話せる内容ではない。誰にも否定されずに話せる場所があるだけで、人は楽になれます。

パートナーの裏切りにシロクロつけるだけじゃない、探偵が依頼者に求められる「意外な役割」決める前に、決めなくていいことを決めること。離婚を迷う人が最初にやっていい選択(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 私の経験上ですが、離婚を決めた人より、実は「決められない人」の方が、長く深く苦しんでいます。

 もし今、まだ結論は出せない、でもこの気持ちを一人で抱えるのが限界だと、そう感じているなら、それはもう十分に相談してもいい段階です。

 今回の郁久美さんのように、調査内容の詳細までは知りたくないという依頼者は少なからずいらっしゃいます。その時の気持ちでお決めいただいて構いません。

 私たち探偵は、あなたに決断を迫るためにいるのではありません。

 決断するかどうかを、安心して考えられる時間と材料を、一緒に整えるためにいます。

 決める前に、決めなくていいことを決めてください。離婚を迷う人が最初にやっていい選択です。

「決めるための整理に必要な材料を提供する探偵」。点と点が線になる探偵トークでした。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。