アルファードの次かも?残価が高いデリカミニ

F:ワンボックスにはアルファードという残価の“絶対王者”がいますよね。今や“残クレアルファード”という歌になるくらい有名です(笑)。D:5もそのくらい高いということですか?

藤:残価率としては、そういう位置づけになりますね。

F:肝心のデリカミニはどうでしょう?

藤:デリカミニは軽スーパーハイトワゴンの中では、残価率の評価はダントツでトップです。一番高い。

F:とはいえ軽スーパーハイトワゴンには、これまた絶対王者がいる。言わずと知れたホンダのN-BOX。いくらなんでもあれは抜けないでしょう。

藤:他社さんのことはあんまり言えないのですが、フェルさんがムチャ振りするので言いましょう(苦笑)。ウチの方が高い。デリカミニの方が全然高いです。もちろん時期やグレード、仕様で多少の振れはありますけど、傾向としては明確で、我々の見ている数字でも、買取市場の反応でも、強い。そこは胸を張って言えます。

【編集部より補足】
両車の残価率をホンダと三菱のウェブサイトにある「セルフ見積もり」で計算してみた。
N-BOXカスタム2WD(207万2600円)を残価設定クレジットで5年間乗ると、最終月の支払額は81万8000円(残価率39.48%)。デリカミニTプレミアム4WD(238万7000円)を残価設定クレジットで5年間乗った時の最終月支払額は108万5000円(残価率45.45%)だった。確かにデリカミニのほうが高い。

F:SUVテイストの軽ハイトワゴン市場では、敵無しの状態ですものね。

藤:評価としてそう言っていただけるのはありがたいですし、実際、市場の反応としても「デリカらしさ」に対する期待がちゃんと結果に出ている、という実感はあります。

それだけ売れてるデリカミニを、なぜフルモデルチェンジしたのか?

F:そうなると、余計に不思議なんですよ。現実に売れている、残価率も高くて強い、キャラも立っている。メーカーの常識は「人気車ほど触らない」。それなのに、わずか2年と5カ月でフルモデルチェンジ。これはどういう理屈でしょう?放っておいてもしばらくは売れるのに。

藤:前提から整理しましょう。今回のフルモデルチェンジのタイミングが、実は「デリカミニ」というクルマを本当の意味で世に出せるタイミングだったんです。

 先代を出した当時は、eKクロススペースを販売していたのですが、正直な話、思ったほど台数が伸びなかった。会社としても「これからもっと“三菱らしい”、味のあるクルマを出していこうよ」という経営幹部からの号令がかかっていました。

 その流れの中で「軽自動車の中でも“三菱らしいクルマ”を造れないか」、という議論になった。そこでベースとしてeKクロススペースがあるなら、その上でどうやって“三菱らしさ”を形にするかを真剣に考えた結果、デリカミニの企画が誕生した、という事実があります。

F:なるほど。

藤:本当の意味でいろんなことを織り込める、「デリカミニ」という新しいクルマを造る上で、自由度が高いのは、やっぱりフルモデルチェンジのタイミングなんですよね。マイナーチェンジの範囲だと、できることはどうしても限られてしまう。骨格や板金を含めて「こういうクルマにする」ということをイチから造り込めるのは、フルモデルチェンジのタイミングじゃないと難しい。自動車を生産する構造として、どうしてもそうなるんです。

F:つまり今回のフルモデルチェンジは、実は最初から見えていたタイミングだった、と。

藤:その通りです。