現在、コスプレ界ではインスタやTikTokのフォロワー数を自分の履歴書がわりの「メディア・キット」に書き込んで売り込むのが、プロへの第一歩だと言われている。実際「アニメLA」の会場でもSNSのフォロワー数を増やす方法を伝授するパネルディスカッションがあった。

 だがヤヤ・ハンはこう語る。

「コスプレに限らず、プロのコンテンツクリエイターは、いま週に平均70時間をSNS対策に費やしている。これはフルタイム勤務で働くのとほぼ同じ時間。その上、私たちコスプレイヤーは、自力で衣装をデザインして自分の手で縫わなければならない。つまり作品のR&D(Research and Development:研究開発)に注ぎ込む時間をいかに確保するかが死活問題。

 そもそもSNSでバスらせたくても自分でコントロールできないアルゴリズムに翻弄されて疲弊するのがオチ。さらにSNSに投稿したコンテンツの所有権は投稿者にはなく、プラットフォームが握ってる」

企業からのオファーはウェブサイト経由
「ホーム拠点」を作るのが第一歩

 そんなヤヤ・ハンがすすめるのは、まず自分のドメインを取得してウェブサイトを作成し、そこに自作衣装の写真や、自分が売りたい商品を全て掲載し、ホーム拠点を作ることだ。

「実際に私の場合、企業からの仕事の案件のオファーは全て私のウェブサイトに直接来た」と彼女は言う。

 たとえばグーグルから「年単位で協業してほしい」という依頼が来たときも、先方からの連絡はSNS経由ではなくウェブサイトに送られてきた。

「企業は相手がプロとしてまともな仕事ができる人なのかを、ウェブサイトの内容を見て判断することが多いと思うから」

 彼女は「yayahan.com」のドメインを2003年に取得し、それ以来、サーバーは変えても同じドメインを23年間使い続けている。ヤヤ・ハンは本名で、コスプレネームではない。その点も多くのコスプレイヤーと彼女が異なる点だ。

フォロワー300万人いても「SNSに頼らない」….超人気コスプレイヤーが貫く独自の稼ぎ方アニメLAの会場でみかけたコスプレイヤーたち