「私、神様違う」
ヘブン邸の食卓。黙って食事するトキとヘブンを見て「ええのう」と喜ぶ司之介(岡部たかし)とフミ(池脇千鶴)。
犬も食わない夫婦げんかをしてこその夫婦だというのだ。それは思ったことを言い合える仲になったということ。
「もちろん仲直りをしてこそじゃがな」と司之介。
どんなに不機嫌でもしじみ汁を飲んでやっぱり「あー」と声を出すと突っ込む。
おそらく、司之介なりに、ふたりの気まずさをほぐそうとしているのだろう。同じ食卓でぶすっとされていたら、食事が喉(のど)を通りにくいに違いない。
唐突にヘブンが「松江、離れる。しませんか」と司之介たちに持ちかける。
トキは「いきなりすぎます」とますますムッとする。「順序とか気持ちとかいろいろ」あると言いたいのだが、結婚のときも順序も気持ちもすっ飛ばして結婚を誓ってしまったのだから、ヘブンを責められないと思う。
ヘブンは素直に「また今度」と引っ込めるが、司之介とフミは「松江を離れると聞いて、またにはできんわ」「話して。いきなりでええけん 話して」とヘブンに請う。
フミの「いきなりでええけん 話して」というセリフがおもしろい。
司之介は、「熊本」と聞いて「熊本って肥後か」と確認するのがおもしろい。
文字だけ見るととくに面白くないが、話す俳優のちょっとしたニュアンスでおもしろくなる。
トキはすぐふたりが反対すると期待していたと思うが、今回はなぜかふたりは落ち着いていて、ちょっと考えると言う。
どうなるヘブンとトキ。
松江中学では、錦織が校長になってヘブンとふたり、生徒たちを帝大に入れると宣言し、生徒たちはヘブンに「どうか帝大に連れていってください」と期待を寄せる。
「私連れて行く違う あなたがんばれ」「私、神様違う」
みんなに期待されてヘブンはやれやれという顔になる。だってもうここを辞める気持ちだから。彼が松江を去ると聞いたら生徒たちはどんな気持ちになるだろうか。
ヘブンも錦織も誰かを「連れていく」という責任感を持っている。ただ、ヘブンは家族全員、熊本に連れていく甲斐(かい)性はあるが、生徒たちを帝大に連れていく義務は感じてないようだ。そこに温度差が生じている。
さて、トキ。町の人たちの攻撃は収まったとはいえ、トキは相変わらず変装が止められない。そんな娘をフミが不安そうに見つめている。トキの解決しない問題が熊本行きの背中を押すことになるのだろうか。









