2万人をみてきた組織開発コンサルタント・勅使川原真衣氏の著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいい のか?』がついに刊行。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛した同書の内容を、抜粋・再構成して特別公開する。

組織の違和感Photo: Adobe Stock

家族もひとつの「組織」

 研修先や講演で、「勅使川原さんが、子育てで大事にしていることって何ですか?」と聞かれることがあります。

 私の話を聞いて「人って、組み合わせなんだ!」と気づいてくださった方が、組織の話をパートナーシップや親子関係にも応用できると思い、質問してくださるのです。

 私は、長男と長女、2人の子どもを育てる母親でもあります。

 そんな私が心がけているのは、「良し悪しをつけない」ということです。私の「当たり前」でジャッジしない、ということです。

大人が思っている以上に伝わってしまう

 たとえば、「すごいね」「偉いね」といった言葉はなるべく使わないようにしています。

 どれも思いのほかジャッジメンタルな言葉だからです。言い換えると、「条件付きの愛」。

 たとえば、子どもがテストで100点を取ってきたとします。つい「偉いね」と声をかけたくなるかもしれません。

 でも、「100点を取って偉いね」を裏返すと、「100点を取らないと偉くない」ということになります。子どもは大人が思っている以上に敏感ですから、そのことにちゃんと気づきます。

 もし子どもがテストで100点を取ってきたら、私ならこう言います。

「そうなんだ、やったじゃん」
「100点だったんだ、いっぱい勉強したんだね」

 無理にほめることはありません。ただ、受け止めてあげればいいのです。

とにかく「会話をつづける」こと

 もうひとつ大事にしているのは、「会話をやめない」ということです。

 たとえば、子どもが点数の悪かったテストを隠していたとします。親としては、見過ごすわけにはいきません。

 ただそこで、「なんなの、これ! ちゃんと見せなきゃだめじゃない!」と頭ごなしに怒るようなことはしません。

 テストを隠したという行動の背景には、子どもなりの論理があるはずだからです。

「本当の気持ち」をわかるために

「隠してるの、わかってるよ。お母さんに見せたくなかったんでしょ? どうして見せたくないと思ったの? 前にお母さん怒りすぎたかもね」

 そう相手にボールを投げて、会話をやめないということが大事です。

「うん。だってお母さん、点数が悪いとがっかりした顔をするから……」

 もしかしたらこんなふうに、無意識のうちに表情でジャッジしていたことに気づかされるかもしれません。

 もし頭ごなしに怒っていたら、子どもの本当の気持ちを知ることは到底できなかったでしょう。

「自分はどんなことがあってもあなたと会話をつづける存在だよ」
 そう伝えることが愛情だと私は思っています。