◆同調する上司ほど信頼されない? 部下に心理的安全性をもたらす秘訣
部下が動かない、Z世代との距離感がつかめない……そんな悩みを解決するのが、ソフトバンクで「汐留の母」と呼ばれた澤田清恵著『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』(ダイヤモンド社)だ。生身のリーダーに求められる最強の武器は生成AIには代替できない「コミュ力(共感力)」。単なる同情ではなく、相手の視点を論理的に理解する「認知的共感」の技術を体系化した、悩める上司たちの「読むサプリ」だ。呼吸を合わせる基本から、自身の無意識を言語化する応用、さらには「飲み会の失敗事例」や「エース部下の退職」といった実例に基づく「しくじり」分析まで網羅。表面的なテクニックではなく、心・技・体を整え、信頼で組織を動かすための実践的ノウハウが詰まった決定版!
※本稿は、『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
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「違い」と共に生きる時代
会社でもダイバーシティ(多様性)が重視される時代になりました。国籍や年齢、ライフスタイル、スキル、宗教、障害、見た目の性別・性自認・性的指向など、異なる背景や価値観を持つ人々と共に生きる社会になっています。
「自分の正解」が通用しない理由
こうした多様性のなかで、これまで以上に重要になるのが「コミュ力」です。自分の価値観や考え方を一方的に押しつけていては、仕事だけでなく、プライベートでも円滑な人間関係は築けません。
無自覚なハラスメントの正体
特にマネジメントをする立場にある人にとっては、コミュ力の欠如が無意識のうちにハラスメントにつながってしまう可能性もあります。部下や同僚と信頼関係を築き、チームをまとめていくためには、「共感」が欠かせないのです。
【解説】「同情」と「共感」は似て非なるもの
ここで重要になるのが、「共感」の正しい定義です。多くの人が「共感=相手の意見に賛成すること」や「かわいそうだと同情すること」と混同しがちです。
「シンパシー(同情)」は、あくまで自分自身の価値観を基準にして相手を見る行為です。対して、リーダーに求められる「エンパシー(共感)」とは、自分のモノサシをいったん脇に置き、相手の立場に立ってその世界観を理解しようとする知的な作業を指します。
ビジネスに効く「認知的共感」の技術
特に多様な人材をマネジメントする上で強力な武器となるのが、「認知的共感」です。これは、相手の感情に同化して一緒に泣いたり笑ったりする「情動的共感」とは異なります。感情に流されることなく、「相手にはそういう背景や事情があるのだな」と、事実を一歩引いた視点から冷静に構造として理解する姿勢です。
この「認知的共感」を身につけることで、自分とは全く異なる価値観を持つ部下に対しても、ストレスを抱え込むことなく、適切なサポートや問題解決の提案ができるようになります。
「いいね!」よりも「安心感」を
SNSの「いいね!」のような瞬間的な承認(ドーパミン系の共感)は、一時的な快感にはなっても、深い信頼関係にはつながりません。目指すべきは、相手に「自分は理解されている」という深い安心感を与える「オキシトシン系の共感」です。
この「認知的共感」を磨き、チームに心理的安全性をもたらすことが大切になります。
※本稿は、『伝え方ひとつで部下が動き出す 上司の「コミュ力」大全』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









