結果はバイタルデータを提供されたグループは、提供されなかったグループよりHbA1cの数値が0.4も下がったという(図44)。

図44 健康・医療情報を活用した行動変容促進事業(平成28年度事業の結果)同書より転載 拡大画像表示

 バイタルデータの見える化(意識化)による病気予防・改善の効果が数値化されたというわけだ。やはりスマートウォッチやライフスタイルセンシングは、意味のあることなのだ。

生活習慣病を防ぐことが
生涯医療費を安く済ませる近道

 画期的な研究に出会った。それは東北大学大学院の辻一郎教授の研究で、「生活習慣と健康診断の数値が、その人の平均余命と生涯医療費にどのように影響を及ぼすのか」というもの。

 結論としては、喫煙、肥満、歩行時間、飲酒に関して良好な生活習慣を持ち、血圧、血糖、脂質に関する健康診断の数値が良い人ほど、平均余命が長く、生涯医療費が安く済むというものだった。

 例えば、血圧が正常な人は高血圧の人に比べて、平均余命が1.7年長く、生涯医療費は375万8000円少ない。血糖値が正常な人は高血糖の人に比べて、平均余命が2.1年長く、生涯医療費は82万9000円少ない。脂質の数値が正常な人は脂質異常の人に比べて平均余命が2.7年長く、生涯医療費は15万7000円少ない(図46)。

図46 健診結果が生涯医療費に及ぼす影響同書より転載 拡大画像表示

 生活習慣病の人は3つの数値がすべて悪い場合が多いから、死ぬまでに医療費を474万4000円も損する可能性がある。こんな大金の支出をスマートウォッチや電力データのモニタリングで防げるとしたら、とてもお得と思うがいかがだろうか。

『予防医療How Much? 病気のリスクをお金の価値で考えてみた』書影予防医療How Much?病気のリスクをお金の価値で考えてみた』(堀江貴文、メディカルレビュー社)