梅田研究教授の言うように、このデータに健康診断や病院での検査の数値を組み合わせれば、最強の健康管理データになると思い、思わず興奮した。
健康診断に関しても、梅田研究教授は明確な考え方を持っていた。
「年1回の健康診断とライフスタイルセンシングによる通年データは、例えてみれば、静止画と動画の違いです。直前に体調を整えて受けた健康診断の結果は静止画として残りますが、その日の結果でしかないので、その後に病気が見つかると、『去年の健康診断では何も問題もなかったのに……』ということになります。
健康診断は、過去に遡って時系列で判断することが大事。グレーゾーンの数値が出た場合に、それが悪い症状である黒が薄まってグレーになったのか、それとも健康で真っ白だったものがグレーになったのかを知ることが重要です。
ライフスタイルセンシングは動画のように、通年の連続したデータが蓄積されているので、健康状態の変化が手に取るようにわかるのです」
僕の考えと全く同じだ。
バイタルデータを継続的に記録し
行動を追跡することが重要
医学界は検査の適正数値ばかりでなく、健康診断や人間ドックの数値を継続して記録し、それを比較・評価する「バイオロギング(編集部注/バイオロギングとは野生動物に小型の記録計(データロガー)を装着し、その動物の行動や生態を継続して記録する調査方法のこと)」の重要性をもっと知らしめるべきだと思う。
経済産業省が2016年に、約1000人の糖尿病軽症者と予備軍を対象に行った調査(編集部注/「経済産業省におけるヘルスケア産業政策について」における「健康・医療情報を活用した行動変容促進事業(平成28年度事業の結果)」より)がある。
調査の内容は以下の通り。対象者に対して、1年間にわたり、歩数、活動量、体重、血圧などの数値を日常的にモニタリングしつつ、定期的に糖尿病の診断基準として使われるHbA1c(ヘモグロビンA1c)(編集部注/血液中のヘモグロビンのうち、糖と結合しているものの割合を測定した数値のこと)の数値を計測して、その変化を追跡するというものだ。比較対象として、そういった情報がもたらされないグループも用意し、定期的にHbA1cの推移を記録した。







